ポーランドの豚肉生産は前年並み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2007年の豚肉生産予測、減少の見込み ● ● ●

 ポーランドは、2004年5月にEUに加盟した10カ国(NMS)の中で最大の豚飼養国であり、27カ国となった現在のEUの中でもドイツ、スペインに次ぐ3番目の豚飼養国である。また、豚生産頭数もドイツ、スペイン、フランス、デンマークに次いで多い。

 ドイツ市場価格情報センター(ZMP)の発表によると、ポーランドの豚肉生産量は、2006年は前年比10.3%増とかなりの程度増加したが、2007年は同0.3%減の218万8千トンとの見込みとなった。

 イギリス食肉家畜委員会(MLC)は、2007年の豚肉生産量が減少に向かう要因として、ドイツやチェコ向けなどの豚肉輸出は増加するものの、ロシアが2005年11月以降、ポーランド産の食肉など(ウクライナを経由したものを含む)が動植物検疫の点で問題があるとして、いったん輸入を停止していることを挙げている。同国をはじめNMSは、EU15カ国などの先進国から養豚業への投資が進むなど域内外で増大する豚肉需要を補う存在としての期待も大きいことから、今後の同国の豚肉需給動向が注目される。

ポーランドの豚肉需給の推移
資料:ZMP


● ● ● 豚肉輸出量は前年と同水準の予測 ● ● ●

 2007年における同国の豚肉生産量の減少予測は、豚肉輸出量にも大きく影響している。同国の豚肉輸出量はEU加盟後、2005年は前年比25.9%増の24万3千トン、2006年は同23.5%増の30万トンと2年連続して大幅に増加した。しかし、2007年予測では、前年と同水準の30万トンにとどまるとされている。

 また、2006年の豚肉輸入量は、生産量の増加から同10.2%減の17万7千トンとかなりの程度減少した。しかし、2007年は生産が減少に向かうことから、同1.7%増の18万トンとわずかに増加する見込みとなった。


● ● ● 2007年後半の豚肉価格、生産減少のため上昇予測も ● ● ●

 2006年における同国のキログラム当たりの豚肉市場参考価格は、生産量の増加を背景として前年比10%安の1.29ユーロ(204円:1ユーロ=158円)とかなりの程度低下した。豚生産者は豚販売価格の低落および飼料のコスト高などで豚飼養頭数を削減しているとされ、本年の夏場の飼養頭数は、前年同期と比較して1割程度減少すると見込まれている。こうしたことから、MLCは、2007年第4四半期の豚肉価格は前年同期比で3割程度大幅に上昇すると見込んでいる。


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