アルゼンチン、酪農経営に対する補給金制度を創設


1リットル当たり0.05ペソを補給

 アルゼンチン政府は、経済生産省決議61/2007号により「国内市場向け乳製品価格安定化計画」を定めたところである。同決議を踏まえ農牧水産漁業庁(SAGPyA)および国家農牧取引監督機構(ONCCA)は、補給金単価、支払方法およびその期間などを定めた共同決議(SAGPyA決議39/2007号(3月9日付け)およびONCCA決議9/2007号(3月9日付け))を官報に告示した。共同決議に示された酪農経営に対する補給金制度の概要は以下の通りである。

(1) ONCCAに登録した酪農経営が対象となること

(2) 酪農経営は定められた申告書(飼養頭数、出荷量、納税状況など)を毎月提出すること

(3) 2007年2月1日から2007年4月30日まで、生乳1リットル当たり0.05ペソ(1.90円:1ペソ=38円)の補給金の支払いを行うこと

(4) 農業団体、流通加工団体および経済生産省により構成される諮問委員会の提言を踏まえ、補給金単価および支払期間は延長、改正されること

補給金制度は農畜産部門の資金の再分配にすぎないと批判

 このような補給金制度が仕組まれたきっかけは、乳製品の国内価格の上昇を招くことなく、生産者と乳業が好調な乳製品輸出の恩恵を共有できる仕組みの検討が進められた結果である。SAGPyAのウルキサ長官は「国際市場から利益を獲得しつつ、アルゼンチン国民に負担をかけないバランスのとれた方式である」と述べている。

 一方、当地の農業紙は「辞書によると、補助金とは公的機関より供与される経済的支援である。しかし、かなり前から政府は、農畜産部門を源泉とする資金の再分配を一連の混乱した決議の中で補助金と名づけている」と、農産物輸出税を基にした補助金支払いの仕組みを批判している。


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