経産牛のと畜頭数は依然高水準で推移


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 経産牛のと畜頭数は、2007年1〜8月で前年同期比8.6%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2007年1〜8月の経産牛のと畜頭数は、昨年の干ばつの影響などで前年同期比8.6%増の369万頭と増加している。種類別に見ると、乳用経産牛のと畜頭数が同8.8%増の163万頭、肉用経産牛も同8.6%増の206万2千頭となっている。

 経産牛のと畜頭数は、2006年3月以降15カ月連続で前年同月をかなり上回って推移した。その後、2007年6月は前年同月1%下回り、また、8月に同6.3%減少となったが、依然高水準で推移している。

経産牛のと畜頭数の推移


● ● ● 豪州、ウルグアイからの輸入が増加 ● ● ●

 米国内における経産牛のと畜頭数の増加の影響は、品質的に競合すると言われる牛肉輸入量に及ぶとされる。USDAによると、牛肉輸入量は、経産牛のと畜頭数の増加などから2006年2月以降14カ月連続で前年同月を下回って推移した。しかし、2007年4月以降前年同月を上回っており、第2四半期で見ると前年同期比12.0%増となった。

 2007年1〜7月の牛肉輸入量では前年同期比3.2%増の89万トンとなり、国別の内訳を見ると、輸入国第1位の豪州が同3.5%増の23万8千トン、第4位のウルグアイが同24.6%増の12万2千トンと増加した。一方、第2位のカナダ、第3位のニュージーランドはそれぞれ同2.0%減の22万2千トン、同7.3%減の17万6千トンと減少した。USDAは、2007年の牛肉輸入量を前年比5.2%増の147万1千トンと見込んでいる。


● ● ● カナダからのと場直行牛などの生体牛輸入頭数は、増加基調 ● ● ●

 USDAによると、2007年1〜7月の生体牛輸入頭数は前年同期比2.2%減の126万頭となった。輸入国別に見ると、カナダは同17.3%増の67万3千頭と大幅に増加したものの、メキシコが同17.9%減の58万6千頭と大幅に減少した。

 カナダの内訳を見ると、440〜700ポンド(181〜318キログラム)の肥育素牛が同7.9%増の4万6千頭、700ポンド超が同20.6%増の62万5千頭(うちと場直行牛が同19.9%増の43万6千頭)となり、と場直行牛などの増加が顕著となった。これは、カナダのと畜場の人件費上昇やカナダドル高の影響などが要因とされており、今後ともカナダからの生体牛輸入頭数の増加、牛肉輸入量の減少の傾向は継続するものと見込まれる。

 なお、メキシコでは十分な降雨量から牧草の状態が良好なことが輸入頭数の減少につながっているとされる。

生体牛国別区分別輸入頭数の推移(1〜7月)



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