2007年上半期における鶏肉調製品の輸出は好調を持続


◇絵でみる需給動向◇



● ● ● 2007年上半期の鶏肉生産量は7千万羽台で推移 ● ● ●

 タイ農業協同組合省(MOAC)によると、6月のブロイラー生産量は前年同月比19.1%増の約7千3百万羽となった。ブロイラー生産量は、昨年6月以降総じて増加傾向が続いており、1月以降は7千万羽台で推移している。2007年上半期(1〜6月)の生産量は、前年同期比6.6%増の約4億3,400万羽となり、同6.1%減であった2006年下半期(7〜12月)とは対照的な結果となった。ひなふ化羽数についても、ブロイラー生産量と同様に昨年6月以降増加傾向で推移している。また、昨年9月以降は7千万羽台の水準で推移しており、6月のひなふ化羽数は前年同月比19.1%増の約7千6百万羽となった。

 生産量が増加傾向で推移している中、6月の卸売価格(生体)は、前年同月比41.5%高のキログラム当たり33.2バーツ(約120円:1バーツ=3.6円)となり、3月以降30バーツ台の水準で推移している。6月の小売価格(中抜き)は、前年同月比17.5%高の同54.5バーツ(約196円)となり、卸売価格と同様に前年を上回る水準で推移している。

 鶏肉については他の食肉などと比較し価格優位性があるとされていることから、鶏肉消費量については前年を上回るものと期待されている。さらに、鶏肉調製品の輸出も好調を維持していることから、同国では2007年のブロイラー生産量について、このままの水準で推移すれば9億羽程度になるものと予想している。

ひなふ化羽数とひな価格


● ● ● 鶏肉調製品の輸出は好調を維持 ● ● ●

 6月の鶏肉調製品の輸出量は、前年同月比11.4%増の約2万3千トンとなった。主な輸出国別でみると、日本は同5.6%減の約9千4百トン、英国は同21.0%増の約7千2百トン、オランダは同30.6%増の約2千6百トンとなった。

 2007年上半期の輸出量は約12万7千トンとなり、前年同期の実績約12万トンを5.5%上回った。国別実績は、日本が同2%減の約5万3千トン、イギリスは同6.2%増の約4万2千トン、オランダは同3.3%減の約1万1千トンとなった。国別シェアをみると、日本向けが42%、英国向けが33%となっている。日本向けは好調であった前年同期よりやや減少しているが、鶏肉調製品の輸出先としては最も多く、シェアは4割を超える水準を保っている。EUについては、英国向けが好調を維持しているほか、EUが年内に予定している鶏肉の輸入枠変更を、タイ産鶏肉調製品の輸出拡大につなげたい意向を示している。

鶏肉調製品国別輸出量(2007年)


● ● ● 2007年の飼料生産量はやや増加する見込み ● ● ●

 タイ飼料業者協会(Thai Feed Mill Association)は、2007年における同協会加盟飼料メーカーの飼料生産量について、前年比3.8%増の約1,300万トンになる見通しであることを発表した。このうち、生産量が最も多いのが養鶏用飼料であり、養鶏用飼料の生産量は全体の約46%を占める590万トン、次いで養豚用飼料が約38%を占めると予想されている。

 また、資材費などの値上がりにより、ブロイラーの生産コストも上昇しているとされ、2007年上半期におけるブロイラー平均生産コストは、前年同期比3〜4%増のキログラム当たり29.5バーツ(約106 円)と予想されている。このうち、約6割を飼料費が占めており同18バーツ(約65円)、続いてひな代の同7バーツ(約25円)となっており、ワクチン接種や薬代が同1バーツ(約4円)、労賃その他が同3.5バーツ(約12円)となっている。


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