牛枝肉卸売価格、5ヵ月連続で前年同月を下回る


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2007年6月は前年同月比9.8%安 ● ● ●

 欧州委員会が公表した2007年6月の雄牛の牛枝肉卸売価格(2歳齢以下の非去勢牛:グレードR2とR3のEU加重平均)は、前年比9.8%安の100キログラム当たり291.3ユーロ(約4万8千円、1ユーロ=165円)とかなりの程度下落した。牛枝肉卸売価格は、2006年は通年で前年同月を上回ったものの、2007年2月以降は5カ月連続で下回り、2007年2〜6月の平均卸売価格は、前年同期比6.7%安の同308.8ユーロ(約5万1千円)となっている。

 また、去勢牛(グレードR3とR4の加重平均)の枝肉卸売価格も、2006年の夏場から年後半にかけては高値を維持していたものの、2007年3月以降は前年同月を下回っており、2007年6月は前年同月比5.0%安の同292.6ユーロ(約4万8千円)と雄牛と同様の傾向を示している。

去勢牛枝肉卸売価格の推移


● ● ● 2006年の価格高騰の反動が要因か ● ● ●

 このような卸売価格の低落傾向が続く一因として、2006年の価格が一貫して高騰したことの反動が考えられる。2006年の同価格が上昇したのは、生産と切り離した単一の直接支払い(デカップリング)などで域内の牛肉生産量が減少する一方で近年は牛肉消費量が上昇傾向にあることや、同時期に域内外で猛威を振るった鳥インフルエンザへの懸念から一時的に需要が牛肉などにシフトしたことなどが考えられている。しかし、2007年に入り、特に鳥インフルエンザの影響が薄れて鶏肉に需要が戻ったことが牛肉価格下落の一因になっているものと思われる。


● ● ● 牛肉主要生産国ではイギリスのみ枝肉価格が上昇 ● ● ●

 2007年上半期における主要な牛肉生産国の100キログラム当たりの肥育牛平均枝肉価格は、EU最大の牛肉生産国のフランスが前年同期比12.9%安の292.4ユーロ(約4万8千円)、第2位のドイツが同8.4%安の294.3ユーロ(約4万9千円)、次いでイタリアが同7.9%安の327.0ユーロ(約5万4千円)と上位3カ国がいずれも下落した。一方、第4位のイギリスでは、2005年11月に30カ月齢以上(OTM)牛の処分対策が終了し、牛肉の流通量が急増したことでその後の価格がいったん低落したことから、2007年上半期の牛枝肉価格は同3.7%増の280.8ユーロ(約4万6千円)と、ほかの主要国とは逆に上昇している。

主要牛肉生産国の肥育牛枝肉価格


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