牛の飼養頭数は減退


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2007年の総飼養頭数は、前年同月比0.4%減 ● ● ●

 米国農務省(USDA)が公表した牛の飼養動向調査によると、2007年7月1日現在における牛の総飼養頭数は、前年同月を0.4%(40万頭)下回る1億480万頭となった。米国の飼養頭数は、2004年に1億360万頭と底を打った後、2年連続で増加するなど、キャトルサイクルは上昇局面に転じたとの見方が強かった。しかし、2007年は(1)西部などの一部で長引く干ばつの影響、(2)トウモロコシの価格の高騰−など、繁殖農家にとって不安要素があることから規模拡大に慎重となったため、飼養頭数は再び減少に転じ、また、2008年の飼養頭数も同様の傾向が続くとの分析もある。

過去20年間の牛の飼養頭数の推移


● ● ● 肉用更新牛は前年同月比6.0%減 ● ● ●

 飼養形態別では、すべての区分で前年と同水準あるいは減少しており、中でも肉用牛部門での減少幅が大きく、肉用繁殖雌牛(経産牛)は同0.3%減の3,335万頭、 更新用の肉用未経産牛は同6.0%減の470万頭となった。

 これは、飼料穀物価格の値上げや一部地域での干ばつなどにより肉用繁殖雌牛が多くと畜されていること、また、飼料価格の上昇や肥育素牛価格の高騰により、更新用の肉用未経産牛の頭数が減少しフィードロットに出荷されたことなどが主な要因とされる。2007年の肥育素牛価格は、前年を下回って推移しているものの、5年間の平均値と比較すると依然として高水準で推移している。

牛の総飼養頭数

肥育素牛価格の推移


● ● ● 今後の見通し ● ● ●

 また、今後の飼養頭数の目安となる2007年の子牛の生産頭数を見ると、7割以上の子牛が生産される1〜6月は、前年同期比0.7%減の2,715万頭となった。7〜12月も、同0.3%減の1,025万頭と減少が見込まれることから、2007年の肥育素牛の供給、および牛肉生産量の増加は期待できないと予測される。


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