2007/08年度豪州産牛肉の日本向け輸出量は減少の見込み


◇絵でみる需給動向◇


2007/08年度と畜頭数、牛肉生産量とも減少の見込み

 豪州農業資源経済局(ABARE)が四半期ごとに公表している農産品需給予測によると2007/08年度(7月〜翌年6月)のと畜頭数は、前年度比3.1%減の880万頭、牛肉生産量は、同4.0%減の214万トンと予測している。ABAREによると、2007/08年度下半期において、気象条件が好転し肉牛生産者は牛群の再構築を図るとの見方から、と畜頭数は減少、これに伴い牛肉生産量も減少するとしている。このため、牛飼養頭数は回復が下半期に見込まれるものの、2008年6月30日時点の牛飼養頭数は同0.7%減の2,760万頭とわずかに減少するとみている。

牛飼養頭数、と畜頭数、牛肉生産量の見通し


牛肉減産を受け牛肉輸出量、輸出額とも減少

 2007/08年度の牛肉輸出量については、牛肉生産量の減少を受け、前年度比5.0%減の92万5千トン(船積重量ベース)、輸出額も同4.0%減の44億3,000万豪ドル(4,519億円:1豪ドル102円)と予測している。

 主要輸出国別に見ると、日本向けは、日本円に対して豪ドル高で推移する為替相場の影響およびグラスフェッド牛肉の在庫減の見込みから同5.7%減の38万トン、米国向けは、同国における加工向け牛肉の価格が高騰していることから豪州産の需要が高まるものの、豪州においても経産牛のと畜頭数減に伴う加工向け牛肉の供給減が見込まれることから同4.3%減の380万トンとやや減少すると予測している。一方、日本、米国に次ぐ輸出先の韓国向けについては、同国における米国産牛肉の輸入条件の緩和は早急には進展しないとの見方をしながらも、競合の激化によって同17.2%減の130万トンと大幅に減少し、総輸出量を引下げる大きな要因になると見ている。

主要国別輸出量の見通し


肉牛価格は前年並み、日本向け輸出価格は上昇

 2007/08年度の市場取引価格(加重平均家畜市場取引価格:枝肉重量ベース)についてABAREは、前年度比0.7%高となる1キログラム当たり294豪セント(300円)にとどまると予測している。一方、日本向け輸出価格(C&F価格ベース)については、グレインフェッド牛肉が供給量減の見通しなどから同6.9%高の1キログラム当たり510米セント(587円:1米ドル=115円)、米国向けも同2.1%高の1キログラム当たり288米セント(331円)といずれも上昇するとみている。

家畜市場取引価格、輸出価格の見通し


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