2007/08年度の生乳生産量、3年連続で減少の見込み


◇絵でみる需給動向◇


2007/08年度生乳生産量予測は前回公表値をさらに下方修正

 豪州農業資源経済局(ABARE)が四半期ごとに公表している農産品需給予測によると、2007/08年度(7月〜翌年6月)生乳生産量は、前年度比6.1%減の900万キロリットルと前回公表値から22万5千キロリットル下方修正された。これは昨年度から続く干ばつの影響によるかんがい用水の利用量の減少や購入飼料の高騰などを背景に、酪農家が生産コストを抑えるため乳牛飼養頭数や生乳生産を減少させたことなどによるものである。

 ABAREは、臨海部の酪農地域においては平年並みの降水量による牧草の生育状況の改善が見込まれるものの、主要酪農地域であるニューサウスウェールズ州とビクトリア州境のマレー河沿岸など内陸部のかんがい酪農地域おいては現在も貯水量が低下していることから、生産環境の改善は困難とみている。

生乳生産量および経産牛頭数の推移


堅調な国内の牛乳消費で加工仕向け乳量は減少、一方で生産者価格は上昇

 生乳生産量の減少が予測される中で、堅調な牛乳の国内消費を受け加工向け乳量は前年度比8.3%減とかなりの減少を見込んでいる。このため、主要乳製品の生産量は軒並み減少し、チーズ、脱脂粉乳は、それぞれ同11.3%減、同11.5%減と大きく下回ると予測している。

 一方、生産者価格は、生乳生産量減少に伴う乳業各社による生乳確保に向けた競争の激化に加え、乳製品の国際価格の高騰を背景に同32.5%増の44豪セント/リットル(45円:1豪ドル=102円)とみている。


主要乳製品の輸出量はそれぞれ2割を超える減少、輸出額は大幅な上昇

 2007/08年度の主要乳製品の輸出量予測を見ると、バターは前年度比24.7%減の6万1千トン、チーズは同27.4%減の15万4千トン、脱脂粉乳は同21.3%減の12万9千トン、全粉乳は同20.2%減の7万5千トンとそれぞれ大幅な減少になるとしている。

 一方、輸出額は、輸出量の大幅な減少や米ドルに対する豪ドル高の影響にもかかわらず、乳製品の国際価格の急激な上昇により、前年度比33.3%増の32億5,700万ドル(3,322億円)と予測している。主要乳製品の品目別の輸出額の予測を見ると、バターは同60.9%増の2億8,800万豪ドル(294億円)、チーズは同25.6%増の10億4,000万豪ドル(1,061億円)、脱脂粉乳は同39.6%増の7億500万豪ドル(719億円)、全粉乳は同53.8%増の4億2,300万豪ドル(431億円)とそれぞれ大幅に上昇するとみている。

主要乳製品の輸出量の推移


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