EUの2007年4〜10月の生乳生産量は前年同期比0.6%減


◇絵でみる需給動向◇


EU25カ国の生乳生産量は前年をやや下回って推移

 ドイツ市場価格センター(ZMP)によると、世界的な乳製品の需給ひっ迫など需要が好調にもかかわらず、EUの生乳生産量は新たな2007/08生乳年度(4〜3月)に入っても伸び悩む状況が続いており、EU25カ国の4〜10月の生乳生産量は前年同期比で0.6%下回って推移している。本誌2007年12月号で、EU25カ国の4〜8月の生乳生産量が前年同期比で0.5%下回って推移している状況を報告したが、さらに2カ月たっても状況に大きな変化が見られない。

主要国における生乳生産量(4〜10月)の動向


オランダは好転、引き続き伸び悩むフランス、イギリス

 EU全体の6割以上の生乳生産量を占める上位5カ国の4〜10月の生産動向を見ると、1位のドイツおよび5位のイタリアは、前年同期を上回って推移している。

 オランダは6〜8月は前年同期を下回っていたが、9月以降の生産量が回復した結果、4〜10月では前年同期比100.3%と前年を上回った。

 EUでは、加盟国別の生乳生産割当(クオータ)が毎年ほぼ同水準で推移する中、一頭当たりの生乳生産量が増加してきた結果、搾乳牛頭数が減少してきており、近年続いた乳価の低迷も乳用牛の頭数減少に拍車をかけていると考えられる。このような中、オランダは2007年5/6月の牛の飼養動向調査において、搾乳牛を含む「2歳以上の乳用雌牛」の飼養頭数が逆に増加していた数少ない国の1つであり、このことが早期の生乳生産回復につながった要因の1つと考えられる。

 一方、フランスおよびイギリスの生産量については、依然前年を下回って推移しており、生産者乳価の上昇など生乳生産増加のための環境は整いつつあるが、生産基盤の縮小が影響し、これまでのところその効果は現われていない。

主要国における2歳以上の乳用雌牛の飼養動向
(2007年5/6月センサス 速報結果)


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