EU、豚肉などの輸出補助金を一時再開


 EUの豚肉管理委員会は2007年11月29日、豚枝肉などに対する輸出補助金の一時再開を決定し、11月30日よりこの措置の適用を開始した。

 今回の輸出補助金は、EU域外のすべての国に輸出される豚肉などが対象で、豚枝肉は100キログラム当たり31.1ユーロ(5,038円:1ユーロ=162円)、バラ肉は同19.4ユーロ(3,143円)などとなっている。


依然低調が続く豚肉需給に対する措置

 EUでは子豚・豚肉価格の低迷が続いており、この厳しい豚肉需給に対処するため、10月29日より豚肉の民間在庫補助(APS)を開始した(海外駐在員情報第791号参照)。なお、11月26日の欧州委員会の公表によると、受付数量は85,000トンで、そのうちスペインが16,000トン、イタリアが14,000トン、デンマークが12,500トン、ドイツが12,000トンとなっている。この措置の実施により価格は下げ止まったように思われるが、回復するまでには至っていない。

 一方、飼料価格の高騰が続いており、この影響から養豚経営の利幅が2002〜06年の平均のそれと比較して65〜70%も落ち込んでいる。さらに、米ドル安によりEUにおける輸出競争力が米国などの競合国より低下している。

 これらのことから同委員会では、いずれ保管した豚肉が域内市場に放出されることとなるAPSの措置のみでは、豚肉需給の低迷の改善には不十分と判断し、今回の輸出補助金の一時再開となった。なお、APSの受付は12月4日をもって打ち切りとされた。

豚枝肉価格の推移(EU平均)


日本を含むすべての国が対象

 今回の措置の対象は、EU域外のすべての国向けの輸出が対象となっている。前回(2004年1月〜3月)の一時再開では、当時のEU加盟予定国および加盟候補国以外のすべての国向け輸出が対象となっていたが、2月に対象となる輸出相手先から日本が除外された。

 現在の日本の豚肉輸入量を見ると、全体の約2割がデンマーク産となっており、米国、カナダとともに主要な輸入国の一つとなっていることから、その影響が懸念されるところである。


米国、カナダの生産者団体はEUの今回の対応を非難

 今回の対応について、在ブリュッセルの食肉関係者によれば、EUの養豚経営者はおおむね好意的にとらえている。

一方、米国、カナダの豚肉生産者団体は、WTO農業交渉におけるEUの「2013年までのすべての輸出補助金を廃止する」との約束に逆行するものとして、これを非難する表明を公表している。


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