乳製品向け輸出税の基準価格を引き上げ(アルゼンチン)


バターやプロセスチーズは対象品目から削除

 経済生産省は11月9日、先に公布した粉乳の輸出税を原資とした酪農経営に対する補給金制度を定めた経済生産省決議第61/2007号(2月8日付け)を改正した決議第370/2007号(11月7日付け)を官報に公布した。

今回の改正は、これまでの気象条件の影響が克服され、生乳生産量が回復していること、また生乳の需要拡大期に入ったことから、乳業部門にとって国内市場における過剰供給の事態を回避し、輸出の正常な流れを確保することが必要となったためとしている。これにより、これまで1トン当たり2,100ドル(231,000円:1ドル=110円)であった粉乳の基準価格は、2,650ドル(291,500円)に引き上げられた。その他の品目はこの粉乳の基準価格を基に算出され、主なものとして、モツァレラチーズ(メルコスル共通関税番号0406.10.10)やドゥルセデレチェ(牛乳を煮詰めたもの、同1901.90.90)は3,400ドル(374,000円)となった。

 一方、同決議では、基準価格が場合によっては、高付加価値製品の輸出の意欲を減退させる要因となっているとして、生乳換算ベースでの数量が少ない製品を対象から削除することも定めている。このため、UHT乳(同0401.10.10)、ヨーグルト(同0403.10.00)、バター(同0405.10.00)、プロセスチーズ(同0406.20.00)などが基準価格の設定の対象外となり、これらの品目については基本税率の5%が課税されるのみとなった。


輸出業務の承認をさらに厳格化

 また、今回の改正では、関税局は国家農牧取引監督機構(ONCCA)に登録された輸出業務のみを受理するとし、ONCCAが前述の輸出業務を承認するには、農牧漁業食糧庁(SAGPyA)および国内商業庁の同意を必要とするとした条項が新たに加えられた。これに先立ち、政府はONCCAの管轄下にある酪農事業者登録制度に輸出入業務の登録を含めることを定めている。乳業関連企業は、関税番号を明記した輸出業者と購入者のデータをONCCAに提出することが求められ、さらに船積み許可証を添付することが義務付けられている。同登録制度には現在1千以上の企業が登録されているため、政府は乳業部門の輸出入の収支が把握できると説明している。

 なお、国内のインフレ抑制を最優先事項とする国内商業庁は、生乳の生産者価格の引き下げを要求しており、今回制定された決議を根拠に、現行の平均価格を0.1ペソ(3.5円:1ペソ=35円)下回る1リットル当たり0.73ペソ(25.6円)以下を支払う乳業メーカーのみに輸出を許可するという形で輸出に実質的なブレーキをかけ始めており、企業間に困惑が広がっていると伝えられている。

乳製品の輸出量および輸出額 (2007年1〜9月)


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