畜産の情報−トピックス−2008年2月 月報海外編

トウモロコシが不足することを生産者は懸念(ブラジル)


1月の端境期にトウモロコシが不足することを懸念

 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が12月に発表した2008年度(7月〜翌年6月)第3回主要穀物生産状況調査によると、2007年度産トウモロコシの輸出量は1,000万トンを超え、2008年度の予測値についても800万トンと好調なトウモロコシ輸出は続く見込みとなっている。

 ブラジルでは、トウモロコシの作付けは10〜12月にかけて行われ、翌2〜6月にかけて収穫が行われる。このため、1月が端境期となるが、トウモロコシ輸出が好調を維持していることから、中小家畜経営を中心に、端境期のトウモロコシの供給不安が生じることを心配する声が出ている。ブラジル養鶏連盟(UBA)のプペリ会長は「端境期までのトウモロコシ需要量と収穫までの在庫量を比べると需要が上回る恐れがある」と述べ、また、ブラジル養豚協会(ABCS)のヴァレンチーニ会長は「不足が生じる場合、政府は遺伝子組み換え、非遺伝子組み換えにかかわらずトウモロコシの輸入を認めるべき」と述べている。

ブラジルのトウモロコシの需給表


2008年産のトウモロコシについても懸念

 また、同調査から2008年度の収穫量を見ると、12月に発表した第3回調査では、第2回調査に比べ、全体の生産量は変化していないが、地域別にみると、南東部や南部の生産量が減少する見込みとなっている。これらの地域での作付面積の減少は、10月の雨不足が原因とみられる。

さらに、

 (1)中小家畜経営が多く立地する南東部や南部での生産量が減少見込みであること
 (2)今後、ラニーニャ現象による干ばつの恐れから、見込み通り収穫できるかという懸念があること

などから、端境期を乗り越えた後の2008年度産の供給についても心配する声も出てきている。

2008年度の生産量見込み


元のページに戻る