2007年のブラジルの鶏肉輸出量は過去最高の301万トン


◇絵でみる需給動向◇


生産量は1千万トンの大台に乗る

 ブラジルブロイラー用ひな生産者協会(APINCO)によると、2007年のひなふ化羽数は、前年同期比12.6%増の51億5,180万羽となった。2006年は、海外における鳥インフルエンザに起因した輸出の減少により生産調整を余儀なくされたが、2007年に入り、内外の需要が好調となったことから、ひなふ化羽数は増加した。主要生産州を見ると、南部のパラナ州が全体の23.3%を占め、次いでサンタカタリーナ州が17.4%、南東部のサンパウロ州が17.0%となった。

 また、生産量(骨付きベース)は前年比10.2%増の1,030万5千トンと1千万トンの大台に乗った。このうち、国内市場には70.8%の729万8千トンが向けられた。

ひなふ化羽数の推移


中東向けの輸出が拡大

 ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、2007年の鶏肉輸出量(骨付きベース)は、前年比16.3%増の300万7千トンとなった。輸出額は同44.3%増の42億1,747万ドル(4,386億2千万円:1ドル=104円)であった。平均輸出価格は1トン当たり1,403ドル(14万5,912円)と前年の同1,130ドル(11万7,520円)に比べ24.1%高となっている。これは、丸どり主体の中東向けや鶏肉需要が伸びているアフリカ諸国への輸出が拡大していることが全体の輸出増をけん引したと見られる。

 主要な輸出先を見ると、丸どり主体のサウジアラビアの輸出量が最大で、前年比11.7%増の37万8,261トン、輸出額は同37.2%増の5億1,926万ドル(540億円)、平均輸出価格は同22.8%高の1,373ドル(14万2,792円)となり、次いでパーツ主体の香港が前年比21.0%増の35万6,327トン、輸出額は同71.5%増の4億3,007万ドル(447億3千万円)、平均輸出価格は同41.6%高の1,207ドル(12万5,528円)となった。日本向けは前年比2.8%増の33万1,202トン、輸出額は同18.9%増の5億7,870万ドル(601億8千万円)、平均輸出価格は同15.8%高の1,747ドル(18万1,688円)となった。

国別輸出量の推移


2008年は飼料価格が生産拡大への制限要因とも

 ブラジル養鶏連合(UBA)では、2008年の生産量は7〜10%の増加を見込んでいるが、現在はトウモロコシの生産者販売価格とブロイラー生産者販売価格の上昇率がほぼ同じであることから、生産コスト増加分がブロイラー販売価格に反映されていると見られるものの、飼料価格がさらに上昇した場合、生産拡大を制限する要素となり得るとの見解を示している。


2017年までの需給予測を公表

 ブラジル農務省は2008年1月に2017年度(7月〜翌年6月)までの農業予測を公表した。鶏肉については以下の通りである。

鶏肉の2017年までの需給見通し


元のページに戻る