2007/08年度上半期チーズ輸出量は好調な海外需要を受け前年同期比4.3%増


◇絵でみる需給動向◇


2007/08年度主要乳製品の生産量は減少が続く

 デイリー・オーストラリア(DA)によると、豪州の生乳生産量は、干ばつの影響により、2006年10月以降、2008年1月まで16カ月連続で前年同月を下回って推移している。2007年末から主要酪農地域を抱える豪州東部の広い範囲で平年並み、または平年以上の降雨が記録されたものの、減産傾向は変わっていない。一方、飲用乳生産量は、堅調な消費を背景に前年並みの水準を維持しているため、乳製品に仕向けられる生乳は減少している。2007/08年度上半期(7〜12月)の主要乳製品の生産量を見ると、バター(バターオイルを含む)は前年同期比10.4%減の6万1千トン、チーズは同8.4%減の18万1千トン、脱脂粉乳は同14.1%減の11万7千トン、全粉乳は同3.6%減の9万3千トンと軒並み減産となった。

主要乳製品の207/08年度上半期(7〜12月)生産量


バター、粉乳の輸出量は大幅に減少、一方、チーズは増加

 乳製品の生産量が減少する中で、2007/08年度上半期の乳製品の総輸出量は、前年同期比20.7%減の37万4千トンとなり、数量にして9万7千トン減と前年度水準を大幅に下回った。主要な品目の輸出量を見ると、バターは前年同期比23.5%減の3万2千トン、脱脂粉乳(バターミルクパウダーを含む)は同33.8%減の6万8千トン、全粉乳は同30.2%減の6万2千トンと大幅な減少となった。一方で、チーズは同4.3%増の11万6千トンとなった。チーズの輸出量は第1四半期(7〜9月)の時点では、前年同期の実績を下回っていたが、好調な消費を背景にアジアを中心とした海外からの需要増、また、その他の乳製品に比べ取引価格が高いため輸出向けの生産がチーズにシフトしたことなどが増加に転じた要因として挙げられる。

 輸出額について見ると、輸出量は減少しているものの、乳製品の国際価格が引き続き高い水準を維持していることから、同9.4%増の14億7,167万豪ドル(1,486億円:1豪ドル=101円)となった。主要乳製品の品目別の内訳は、バターは同9.5%増の1億681万豪ドル(108億円)、脱脂粉乳は同9.0%増の3億1,352万豪ドル(317億円)、全粉乳は同13.4%増の2億9,675万豪ドル(300億円)、チーズは輸出量も増加したことから同15.2%増の4億9,491万豪ドル(500億円)と、大幅な増加になった。

主要乳製品の輸出量


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