調査・報告

EUからロシアへの豚肉を中心とした畜産物輸出の近況

   ブリュッセル駐在員事務所 和田 剛、小林 奈穂美

 


 

1.はじめに

 近年の世界的な農畜産物の価格上昇の要因として挙げられるのが、穀物の主要生産国における天候不順などによる生産量の減少、バイオ燃料生産の増加による食料・飼料利用との競合の増加、そしてロシアや中国などBRICsと呼ばれる国々の所得上昇に伴う農畜産物消費量の増加である。

 このうち、ロシアの農畜産物の消費については、同国の経済が1999年以降、ルーブルの切り下げによる国内産業の復調と石油価格の高騰を主な原動力として回復しており、このことが農畜産物の消費拡大につながっていることは容易に想像できる。

 現在、ロシアにとって最大の輸入相手先はEUであり、またEUにとってロシアは3番目の輸出相手国である。

 今回のレポートでは、畜産物の主要輸出地域であるEUと、近年、需要が伸びており、また地理的・歴史的に近いロシアとの畜産物貿易の近況を紹介する。またその中でも、わが国もEUより多く輸入している豚肉を中心に、EU・ロシア間の貿易の特徴や今後の見通しについて、関係者の声も併せて紹介する。


2.EUの畜産物輸出の推移

 EUとロシアの畜産物貿易は、ロシアからEUへの輸出はほとんど無く、大部分はEU側からロシアへの輸出である。そこで、EUの食肉および乳製品の域外への輸出のうちロシアの占めるシェア変化について、加盟国が15カ国であった2001年と、ロシアと歴史的・地理的につながりの深い東欧諸国など10カ国が加盟し25カ国となった後の2006年の輸出量を中心に比較してみる。なお、これらの産品のうち、豚肉およびチーズについてはEUから日本向けの輸出も多いことから、併せてそのシェア変化についても見てみる。(グラフおよび表データの出典はいずれもEurostat)

(1)食肉

(1) 牛肉(関税番号HS 0201およびHS 0202)

 EUでは2002年までは牛肉の自給率が100%を超えていた。しかし、2000年末のBSE問題により低下した消費がその後回復する一方、特に牛肉供給の約3分の2を占める乳用牛について、加盟国別のクオータが毎年ほぼ同水準で推移する中、一頭当たりの生乳生産量増加により搾乳牛の飼養頭数が減少していることから、牛肉生産は減少傾向で推移している。この結果、EUは2003年以降、牛肉の純輸入地域となっている。

 このような変化の中、EUの牛肉輸出余力は年々低下しており、2001年の牛肉輸出量約40万トンに対し、2006年にはその約3割の12万9千トンまで減少している。この間、ロシアへの輸出量も大きく減少しているものの、シェアは高く2001年には8割以上、2006年にも約7割をロシア向けに輸出しており、EUの牛肉輸出の最重要市場となっている。主な輸出国はドイツおよびアイルランドである。

 なお、その間、ロシアの牛肉輸入量は、低関税枠制度のもと拡大傾向で推移している。EUからの牛肉輸入の減少分は、ブラジルやアルゼンチンなどの南米諸国からの輸入増により対応している。
 

図1 EUの牛肉輸出量

(2) 豚肉(HS 0203)

 EUの豚肉の域外輸出については、デンマークを中心に着実に増加してきた。2001年の豚肉輸出量約71万トンに対し、2006年には約45%増の約104万トンまで増加している。

 2001年には、輸出の約3分の1が日本向けで、ロシア向けのシェアは2割以下であった。ところが、2006年を見ると日本向けの輸出量は2001年よりやや減少し、シェアも22%に大きく低下している。一方、ロシア向け輸出量のシェアは24%と最大の輸出先となった。ただし、2006年は、ブラジルの口蹄疫発生によりその輸入減少分を補う形で、デンマークなどからの輸入が増加したという要因があり、2007年のEUからロシアへの豚肉輸出量は、ブラジルからの輸入の回復や自国生産の拡大により、減少する模様である。

図2 EUの豚肉輸出量

 輸出額を見ると、2006年は日本向けが約7億2千万ユーロ(1,152億円:1ユーロ=160円)であるのに対し、ロシア向けは約4億8千万ユーロ(768億円)となっており、依然、日本が最大の輸出先となっている。

 輸出単価は、2001年は日本向けが1キログラム当たり3.75ユーロ(600円)、ロシア向けは同1.45ユーロ(232円)であった。これが2006年には、日本向けが同3.10ユーロ(496円)と低下する一方、ロシア向けは同1.95ユーロ(312円)と上昇しており、日本と比較したロシアの購買力の上昇が顕著となっている。
 

表1 EUのロシア・日本への豚肉輸出の推移

 
  なお、参考まで、2001年から2006年までの対ユーロの為替レートの変動を見ると、円およびルーブルともに下落している。ただし、円の下げ幅の方がルーブルの下げ幅より大きい。また、ルーブルは2005年以降、対ユーロで上昇または安定して推移している。
 

表2 2001年と2006年の為替レート比較

図3 為替の推移(対ユーロ)


(3) 家きん肉(HS 0207)

 EUの家きん肉の域外輸出については、2001年の輸出量約98万トンに対し、2006年には約11%減の87万トンに減少している。ただし、この減少の要因には2001年当時EUに加盟していなかった東欧諸国への輸出分が2006年には含まれなくなったことに加え、2005年後半以降の域内外において発生した鳥インフルエンザの影響で輸出量が減少したことが挙げられる。

 この間、ロシア向けの輸出量は2001年の18万8千トンから、2006年には約8%増の20万3千トンとなり、シェアも19%から23%に着実に拡大している。

図4 EUの鳥肉輸出量


(2)乳製品

 世界の乳製品の輸出市場におけるEU産の割合はバターやチーズでは約4割、脱脂粉乳や全粉乳では約3割となっており、EUは主要輸出地域となっている。輸出先を見ると、近年、ロシアの乳製品輸入の増加が目立っている。ただし、ロシアへの粉乳輸出は多くない。

 乳製品貿易のうち、わが国がEUから多く輸入するバターやチーズの輸出動向は以下のとおりである。

(1) バター(HS 0405)

 EUのバターの域外輸出については、2001年の輸出量約17万トンに対し、2006年には24万6千トンと順調に増加している。ロシアはEUの最大の輸出先であるが、輸出量を見るとこの間2万3千トンから5万トンと倍増しており、2006年のシェアは約2割となっている。

図5 EUのバター輸出量

(2) チーズ(HS 0406)

 チーズのEU域内の消費は堅調であり、今後、生産も増加すると見込まれている。また、輸出量についても域外での好調な需要を背景に順調に伸ばしており、2001年の約47万トンに対し、2006年には54万トンと増加している。

 輸出先シェアを見ると、2001年は、ロシア向け、日本向けともに10%強であった。2006年には日本向け輸出量は2001年よりやや減少し、シェアも8%に低下する一方、ロシア向け輸出量は2.6倍近くに増加し、シェアは27%と最大の輸出先となった。

 なお、輸出単価については、豚肉に見られるような大きな変動は見られず、日本向けの単価はロシア向け単価の約3割増しの水準となっている。
 

図6 EUのチーズ輸出量

表3 EUのロシア・日本へのチーズ輸出の推移


3.EU・ロシアの豚肉需給の動き

 前章で紹介したように、EUの主な畜産物輸出に関し、おおむねロシア向けのシェアは拡大していることが分かる。このうち、特にわが国との競合関係が厳しくなっていると考えられるのは豚肉である。本章では、特に、今後のEUからロシアへの豚肉輸出をめぐる各種事情の変化について紹介する。

(1)ロシアの生産・消費動向

 ロシアでは、近年、牛肉と同様、豚肉の消費も順調に拡大している。また、生産量も拡大している。イギリス食肉家畜委員会(MLC)の予測によれば、生産量、消費量とも順調に拡大するものの、2008年の段階でも消費量の約3分の1は輸入に頼らざるを得ないと見ている。

表4 ロシアの豚肉生産・消費の動向

 

 また、ドイツ市場価格情報センター(ZMP)の分析では、ロシアにおいても飼料価格の高騰が深刻で、同国の豚肉生産の約半分を占める小規模農家で生産停止が続いており、前年比でかなり大きく増加した2007年の生産量に比べ、2008年の生産量の増加率は鈍化すると予測している。

 この生産の急激な増加の背景には、規模拡大や生産の近代化などの投資の活発化に加え、遺伝資源の積極的な輸入などによる生産性の改善がある。2005年以降、国家事業として、EU加盟国などからの繁殖用生体牛や生体豚の輸入を増加させており、急激な需要拡大を満たすための豚肉などの輸入の増加を図る一方、中長期的な自給率向上を図るための生産基盤の整備を着々と進めている。

表5 EU加盟国からロシアへの繁殖用豚の輸出動向

 

 なお、2007年の生体豚輸入は大きく減少したが、これは主要輸出国における英国で、同年8月に口蹄疫が発生したためである。MLC関係者によれば、口蹄疫の発生が無ければ、2007年の輸出頭数は2006年を上回っていたはずだと述べており、輸出再開に向けてロシア側と交渉中とのことであった。

 また、デンマークからの輸出頭数の減少は、トラックによる子豚の長時間輸送が、動物福祉の観点から同国において問題となり、主要輸送業者が輸送を中止した影響が大きいと考えられる。


(2)ロシアの輸入動向

 MLCの統計によれば、ロシアの最大の豚肉輸入先はブラジルである。ただし、ブラジルでの2005年末の口蹄疫発生に伴い、2006年の同国からの輸入は大きく減少し、この減少分を補う形でデンマークやアメリカからの輸入が増加している。2007年には再びブラジルからの輸入が回復しており、このことがデンマークからの輸入の減少につながっている。

表6 ロシアの豚肉輸入動向

 

(参考) ロシアの豚肉の輸入関税制度

 ロシアは食肉の輸入に関して低関税枠を設定している。豚肉の場合、2003年に導入した関税枠を2005年のWTO加盟交渉において2009年まで延長することとし、枠数量の緩やかな拡大および枠外税率の引き下げを行うこととしている。

表7 ロシアの豚肉の輸入関税制度

(3)EUの生産・輸出動向

(1) 2007年の動向

 ア 2007年後半から域内枝肉価格は前年を大きく下回って推移

 2007年のEUにおける豚肉生産をめぐる情勢は、高価格を記録した前年から一転し、2007年後半の豚枝肉価格や子豚価格の低迷に加え飼料価格の上昇により非常に厳しい状況であった。欧州委員会は、この状況に対処するため、10月29日に、2004年1月以来となる民間在庫補助(APS)を実施した。本措置により97,615トンの豚肉が市場から隔離され、最大5カ月保管されることとなった。さらに11月30日には、枝肉価格は下げ止まったもののAPSのみでは回復するまでには至らなかったため、輸出補助金を再開することとした。なお、APSについては、2008年2月の豚肉管理委員会において、保管期間を最大3カ月延長する変更を決定した。これにより当初、本年5〜6月を中心に市場に放出される予定であった保管豚肉は、夏場以降に放出される見込みとなる。

 イ 輸出量は、ロシア、日本向けの減少により1割以上減少 

 2007年1〜10月の豚肉の輸出量を見ると、主な輸出先であるロシア、日本向けの減少が全体でも大きく減少している。このうち、ロシア向けの減少については、2006年はブラジルでの口蹄疫に発生により同国からの輸入が大きく減少し、それを補う形でEUからの輸入が増加していたが、2007年に入りブラジルからの輸入量が回復した影響を大きく受けている。
 

図7 豚枝肉価格の推移(EU平均)

図8 EUの子豚平均価格の推移

表8 EU25の豚肉輸出動向

表9 デンマークの豚肉輸出動向

(2) 2008年の予測

 MLCの予測によれば、2008年の豚肉生産および輸出量は、ともに2007年をわずかに下回ると見ている。

表10 EU27カ国の豚肉需給の推移

(3) 中期的な見通し

 中期的には、2007年7月に公表された欧州委員会の中期見通しで、2014年まで生産は横ばいまたは微増、輸出量は微減で推移すると見込んでいる。

表11 EUの豚肉需給の見通し

 

<コラム> ポーランド、約2年ぶりにロシアへの豚肉輸出が解禁

 ロシアは2005年11月以降、ポーランドからの食肉をはじめとする農産物に輸入に関し、衛生上の問題があるとしてこれを禁止していた。これに対し、ポーランドでは、食肉に関してはEUの衛生基準を満たしておりロシアの対応は問題として、ロシアに対し解禁を要請するとともに、EUとロシア間の経済連携協議開始に対し拒否権を発動するなど政治問題となっていた。

 一方、ポーランドの豚枝肉卸売価格は、同国の急激な生産拡大を背景に低迷し、加えてロシアの輸入停止や飼料価格の高騰など、EU内でも特に豚肉生産をめぐり厳しい状況が続いていた。

 2007年12月19日、ポーランドとロシアは、ロシアによる食肉輸入停止措置の解除に合意し、約2年ぶりにロシアへの輸出が可能となった。

 2008年1月中旬にはポーランドの枝肉卸売価格は解禁時に比べ約18%上昇するなど、ほかの加盟国の価格が伸び悩む中、異なる値動きを示した。その後、2月には解禁前の水準まで下落したが、同国のロシア市場への期待感、豚肉需給に与える影響の大きさを端的に示す現象である。


4.EU食肉関係者のロシアへの豚肉輸出・投資に対する見方

 前章では、EU・ロシア間の豚肉貿易に関係する、両国の豚肉需給をめぐる状況を紹介したが、本章では、EUの食肉関係者が見るロシアへの豚肉輸出の特徴や見通しを紹介する。

(1)デンマークの見方

 EUの豚肉輸出の約4割を占めるデンマークは、輸出量の約半分を日本へ、また約4分の1をロシアに輸出しており、両国ともデンマークの主要な輸出先となっている。

 今回、デンマーク豚肉輸出機構連合(DS)に、ロシアとの豚肉貿易について伺う機会を得たので紹介する。

(1) 日本とは異なる輸出部位
 ロシアへの豚肉輸出の特徴は、フォアエンド(枝半丸の前部分)の比率および食用のくず肉(HS0206)が多いことを挙げている。

 以下、日本およびロシアのデンマークから輸入する冷凍豚肉の部位構成変化を整理してみた。日本が、輸入の大部分がロインなどの「骨なし部分肉」であるのに対し、ロシアはフォアエンドなど日本があまり輸入しない部位の輸入も一定量見られる。ただし、ロシア向けの2001年と2006年の構成比を比べると、フォアエンドの比率が減少する一方、日本が多く輸入する「骨なし部分肉」の比率が急増しており、少なからず両国間の競合が激しくなってきていることがうかがえる。

表12 日本およびロシアのデンマークから輸入する冷凍豚肉の部位変化

(2) 短期的にはロシアへの輸出はブラジルの輸出動向が大きく影響
 デンマークのロシア向け豚肉輸出は、ここ数年、増減を繰り返している。その最も大きな要因は、ブラジル産豚肉輸入の増減であり、この影響により2005年以降ロシア向けの輸出は増減を繰り返している。さらに、2008年には、ロシアがブラジルの主要生産州であるサンタカタリナ州からの豚肉輸入を解禁すると見込まれており、デンマークのロシア向け豚肉輸出の脅威になると見ている。

 なお現在、わが国におけるブラジル産の豚肉の輸入は、認定施設における加熱製品のみが認められている。

(3) 中長期的にはロシアの自国生産の動向が影響
 今後、注視が必要な事項としては、ロシアにおける自国生産の動向を挙げている。前述のとおり、ここ数年、ロシアは豚肉をはじめとする畜産物の増産に力を入れており、仮にこれにより自給率が向上すれば、当然の結果として輸入量は減少することとなる。

 また、対ブラジルとの関係においては、ロシア市場において、低価格部位はブラジル産、高価格部位はデンマークをはじめとするEU産とすみ分けが進むと見られている。

(2)オランダ分析機関によるロシア豚肉産業への投資の可否

 オランダのワーニンゲン大学傘下の分析機関LEIがロシアや東欧諸国における、飼料生産から豚肉生産・販売に至る豚肉産業への、オランダ資本の投資の可否を分析している。これによれば、ロシアへの投資は、法制面などが不透明であり、豚肉産業全体に対する投資はリスクが大きいとしている。

 リスクとして挙げられた要因で目を引くのは、現在ロシアの豚肉生産への投資は石油・ガス会社などの資金によるものもあり、それらは短期的な収益を目指していると指摘している点である。中期的な投資に見合う収益性が期待できない場合には、資本回収に動く恐れがあるとしている。

 このことは、豚肉生産において、自給率向上に失敗する可能性があることを意味している。


5.まとめ(EUからロシアへの豚肉輸出は増加するのか?)

 EUにおける豚肉生産および輸出は、中長期的にほぼ安定して推移するものと見込まれる。したがって、EUからロシアへの豚肉輸出は、主にロシア側の需給を背景とした輸入動向に左右されると考えられる。

 このロシアの輸入動向を左右する要因として、まず、短期的には、ブラジルからの輸入動向と今後の関税制度の仕組みが挙げられる。前者については前述の通り、2008年にはブラジルの主要生産州からの輸出が解禁されると見られ、EUにとっては輸出減につながる可能性が高い。後者については、2009年までは関税枠制度により大幅な増加は見込まれないが、早ければ今年中にもWTOへの加盟が予想されるロシアが2010年以降の豚肉の関税制度をどのようなものとするかは現時点では不明である。

 中長期的には、ロシアにおける豚肉の需要と生産の動向が大きな要因となると考えられる。今後の景気動向や生産動向などにも左右される部分はあるが、ロシアにおける豚肉消費量は今後大きく増加するというのが、一般的な見方である。これに対し、ロシア国内の生産がどこまで拡大していくかによりEUからの豚肉輸入量が左右されることとなる。


6.おわりに

 今回のレポートにおいては、ロシアがこれまでEUからの畜産物輸入を拡大してきたこと、その一方で、自国生産の基盤整備を進めていることを紹介した。

 今後のロシアの豚肉をはじめとする畜産物の輸入動向を正確に見通すことは難しいが、可能性のある1つのシナリオは、長期的に畜産物の自給率向上が図られ輸入量が減少していく、というものである。

 このシナリオの理由の1点目は、ロシアは、豊富な穀物生産基盤を有しており、大豆を除けば基本的に自給が可能なことである。そして、2点目は、これまで述べたように自国生産基盤の整備を積極的に進めている点である。牛、豚などの遺伝資源の導入に加え、ヨーロッパなどの先進的な飼養管理技術を採り入れている。イギリスの専門家によれば、ロシアの乳牛は平均で年間6千キログラム程度の産乳能力を持つと見られるが、低い飼養管理技術のため年間3千キログラム程度にとどまっていると指摘している。つまり、畜産物生産の増加のため潜在能力もすでに有しているのである。

 仮にロシアの畜産物自給の向上が図られれば、世界の畜産物市場において、輸入国としてのロシアの存在感は小さくなっていく。さらに、このことは、わが国が畜産物の一定量を今後も輸入に頼らなければならないとすれば、わが国の食料需給の安定という観点からは好ましいシナリオではある。

 しかしながら、我々が目指すべきは、輸入を前提とする需給の安定ではなく、現在、わが国の畜産関係者が努力して取り組んでいる畜産物の自給率向上による需給の安定であることはもちろんである。

(参考資料)
 外務省HP各国・地域情勢(ロシア)
 欧州委員会 貿易総局HP http://ec.europa.eu/trade/issues/bilateral/countries/russia/index_en.htm
 欧州委員会 農業総局HP http://ec.europa.eu/agriculture/index_en.htm
 Eurostat http://epp.eurostat.ec.europa.eu/newxtweb/
 MLC 「International Meat Market review」
 デンマーク統計局 http://www.dst.dk/HomeUK.aspx
 LEI 「Investigation in the pig supply chain in Hungary, Romania, Ukraine and Russia



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