インドの潜在的配合飼料需要は現在の12倍の6千万トン


配合飼料の過半が家きん向け

 インドにおける商業ベースの飼料の製造は、1965年ごろの北部、西部での中規模飼料工場の設立に始まった。当時はまだ家きん部門は採卵を目的とした地鶏の裏庭飼養に限られており、飼料は主に乳用牛向けであった。

 しかしながら、家きん部門の発展に伴い、飼料産業も成長を遂げるとともに、家きん向け飼料が5割を超えるようになっている。

配合飼料生産量の推移 (インド配合家畜飼料製造協会(CLFMA)会員分)


潜在的飼料需要は6千万トン

 1967年に設立されたインド配合家畜飼料製造者協会(The Compound Livestock Feed Manufacturere's Association:CLFMA)では、これまでインドの家畜の大部分はほとんど配合飼料を給与されておらず、農場で穀物残さや副産物を伝統的な方法で混合した、バランスの悪い飼料が給与されていたとしている。その上で、インド国内でのCLFMA会員、非CLFMA会員を合わせた配合飼料の生産量を約5百万トンと見積もっている。また、酪農、家きん、水産養殖用の全体の潜在的な配合飼料の需要を約6千万トンと見積もっている。


乳牛向け飼料の需要促進が今後の課題

 酪農部門の飼養管理技術は、前述したように、伝統的で粗放的なものが主流を占めている。これまでは乳用牛の遺伝的改良がなされていなかったため、牛自体の生産能力も限定されており、濃厚飼料を給与してもその効果が発揮されないと考えられていた。しかしながら、CLFMAでは、乳用牛の頭数と生乳生産量から、酪農部門において4千5百万トンの潜在的な配合飼料の需要があると見積もっている。特に、ほとんどの乳用牛は放牧か低品質の乾燥粗飼料給与が主体のため、配合飼料給与による栄養状態の改善と生乳生産性の向上の余地が大きいとしている。こうしたことが、飼料メーカー自身のさらなる努力と、マーケティングによる配合飼料の普及を促している。

 これまで、インド政府は意欲的な家畜の遺伝的能力の改良計画を掲げていたが、改良された家畜の能力を引き出すための飼料についての計画はなかった。そのため、飼料原料の需要と国内供給にギャップが生じている。このギャップを短期間で埋めることは難しいため、飼料の利用効率を高める方策として、生産性の低い家畜のとう汰や無駄を排するためのバランスの良い飼料給与、寄生虫の駆除や乾乳期間の短縮が挙げられている。
 また、これまで潜在的需要がありながら配合飼料の利用が伸びなかった要因として、研究成果を生産現場に普及させる手段がなかったことや、配合飼料の利用が農家に与える経済的な重要性に関する分析が不足していたことが挙げられている。

 また、これまで潜在的需要がありながら配合飼料の利用が伸びなかった要因として、研究成果を生産現場に普及させる手段がなかったことや、配合飼料の利用が農家に与える経済的な重要性に関する分析が不足していたことが挙げられている。

 インドでは、現在11億人強の人口を抱えているが、今後の人口増加や経済成長に伴う国民所得の増加から、これまで低かった畜産物の消費も急速に伸びると見込んでいる。こうした畜産物需要の増加に伴い、当然飼料需要も増加することが見込まれている。


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