豪州、肉用牛飼養頭数は減少−大洋州−平成11年8月第400号

ALIC/WEEKLY


豪州、肉用牛飼養頭数は減少



【シドニー駐在員 藤島 博康 8月12日発】このほど、豪州統計局(ABS)
は牛飼養頭数調査を公表した。これによると、99年3月31日時点の牛飼養頭数
は前年同期より3.7%減少した。肉用牛に限ると全体で4.5%、繁殖雌牛で4.
3%、それぞれ前年同期より減少した。これに生体牛輸出の回復なども手伝い、国
内の肉牛供給は今後12〜18ヵ月間、減少傾向で推移するとみられている。
http://lin.alic.go.jp/alic/week/1999/aug/wpe1.jpg (5546 バイト)
 99年3月末時点の牛総飼養頭数は2千583万3千頭、うち肉用牛が9割近く
を占め2千267万2千頭、残りが乳用牛で316万1千頭。乳用牛頭数は、前年
同期より2.8%増加し、92年から一貫して続く拡大傾向を維持した。一方で、
肉用牛頭数は93年同期以来の低水準を記録した。州別に見ると、99年3月末時
点の肉牛飼養頭数は、すべての州で前年同期よりも減少。比較的減少幅が大きいの
はビクトリア州(前年同期比11.3%減)、サウスオーストラリア州(同6.8
%減)、ノーザン・テリトリー(同6.7%減)など。

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)では、これまでの経産牛のと畜頭数の水準
から見て、肉用牛頭数の減少はほぼ予測の範囲内としている。過去2年間と畜頭数
は増加傾向にあり、特に総と畜割合に占める経産牛の割合が高水準で推移していた
ことから、今回の調査時点での頭数減少は必然的なものとみられている。

 頭数減少の背景には、96年を底とする肉牛価格の低迷や、経済危機による東南
アジア向け生体輸出の激減などによる経営規模の縮小が挙げられる。現在の肉牛価
格は96年以前の水準まで戻しており、今後、繁殖雌牛を中心に保留意欲が高まり、
頭数は全体的に拡大傾向にあるとみられる。

 しかしながら、ニューサウスウェールズ州やビクトリア州では経産牛のと畜割合
が依然高水準にあり、両州の頭数回復は全国レベルよりも遅れるとの見方もある。
ビクトリア州では、放牧地から近年輸出が拡大傾向にあるワイン用ブドウや穀物な
ど耕種作物へと土地利用を転換する例も多く、価格回復が肉牛の処分を容易にし、
これを後押ししている面もあるとされる。この傾向を反映するように、99年3月
末時点での両州の繁殖雌牛頭数は、ここ10年間で最も低い水準にある。

 MLAなどによると、これまでの繁殖雌牛の減少、エジプト向けの急増やインド
ネシア向けの回復など生体牛輸出需要の増加、良好な放牧コンディションが見込ま
れることなどから、今後の肉牛供給は、短期的に、当歳牛を中心に減少傾向にあり、
肉牛価格も上昇傾向にあると予測されている。


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