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EU委、加盟国の肉牛飼養農家支援策を承認



【ブラッセル駐在員 山田 理 7月26日発】EU委員会は7月25日、肉牛飼養農
家に対する所得補償(income aid)を柱とする各加盟国の農家支援策(5億1千百
万ユーロ、約561億円:1ユーロ=110円)を承認した。

 EUでは、昨年末の牛海綿状脳症(BSE)問題再燃の影響で、域内の牛肉消費
が急激に減少しただけでなく、域外諸国のEU産牛肉輸入禁止措置などにより、多
くの輸出市場も閉ざされている。

 このため、昨年11月以降、牛肉価格の低迷が続いている。6月の牛枝肉価格(第
23週)を見ると、若齢雄牛で前年同期比17.3%安、経産牛では同24.1%安と、前年
の水準を大幅に下回って推移しており、肉牛飼養農家の経営に大きな影響を与えて
いる。

 EU加盟国が独自に実施する農業補助については、EU委員会によって補助内容
などに関する指針が定められており、その実施に当たっては、事前にEU委員会の
承認を得ることとなっている。EU委員会は、各加盟国による農家への所得補償に
ついて、(公正な)競争を阻害し、共通市場制度の機能を損なうとして、通常は認
めていない。

 EUのフィシュラー委員(農業/漁業/農村開発担当)は、「牛肉市場で危機的な
価格低迷が続いていることが各加盟国による農家への所得補償を含めた特別補助の
承認根拠となった。本日のEU委員会の決定は、6月の農相理事会で採択された肉
牛飼養農家への対策を補完するものである。我々の目的は、農業補助に関する明確
な規則の下で、肉牛飼養農家に将来に向けてのより良い展望を与えることである」
と述べている。
 
 今回承認された加盟国別の支援策の概要は次の通りである。

                (単位:百万ユーロ)

国内および内容

金額
オーストリア
(ケルンテン州)
 所得補償
 牛肉消費促進キャンペーン
3.59

2.9
0.69
ベルギー
 所得補償(第1次)
 ※第2次は実施計画策定後、別途審査
29.7
29.7
フランス
 所得補償
 利子補給
 低利資金への借り換え
259.0
152.4
60.9
45.7
イタリア
 所得補償
 ※77百万ユーロまで増額可能
 その他
150.0
25.5
(77.0)
73.0
ドイツ
(バイエルン州)
 所得補償
 飼料検査
 飼料廃棄に対する補償
 BSE発生に伴う殺処分に対する補償
(チューリンゲン州)
 所得補償
(ニーダーザクセン州)
 所得補償
 (ザクセン州)
 BSE発生に伴う殺処分後の牛群再構築
56.0

28.0
1.0
10.0
6.0

4.0

5.0

2.0
スペイン
 所得補償(アストュリアス地方)
   〃   (カンタブリア地方)
11.98
6.0
5.98
 


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