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老廃牛の牛肉小売販売表示で合意(豪州)



【シドニー駐在員 幸田 太 7月26日発】豪州の小売業界大手のウールワース
などは、老廃牛の店頭表示について、今後「Budget」(徳用)の表示を自主的に行
うことで食肉業界団体の豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)などと合意した。豪
州ではかねてから、廃用繁殖雌牛などの老廃牛の肉が輸出向け高級牛肉などの表示
で国内販売されていることから、消費者に牛肉に対する不信感が広がっていたが、
MLAはこれにより消費者の信頼を取り戻すことができると期待している。

 合意の内容は、3歳半(42月齢)以上の牛から生産される肉については、今後
「Budget」(徳用)と表示するというものである。合意したのは、大手小売スーパ
ーのウールワース、コールズ、フランクリンズ、ブッシュ、ビロ他となっており、
表示については、2002年1月1日から実施される予定となっている。

 MLAは昨年、生産者、加工業者、小売業者、連邦政府、食肉格付団体であるオ
ズミートからなる特別委員会を組織し、老廃牛の牛肉表示について検討を重ねてい
た。この背景には、不当表示で消費者を混乱させたことにより、近年の一人当たり
牛肉消費量が落ち込んだことが一因と考えられていることがある。実際、豪州の1
人当たりの年間牛肉消費量は97年の41.8kgから99年の38.1kgと3年間で約9%減少し
ている。牛肉は食肉消費全体の約36%を占めているものの、その消費量は年々減少
している。その一方で鶏肉消費量は、近年急速に伸びており、99年のシェアは約30
%(31.1kg)を占め、数年後には牛肉を上回るとも言われている。牛肉業界として
は、国内消費量の減少に歯止めをかけたいところであった。

 MLAのクロンビー会長は、今回の老廃牛の表示によって消費者の信頼を取り戻
し、それにより牛肉購入量は伸びるだろうと述べている。その一方で、テンダライ
ズ(肉を柔らかくする)処理を行ったものについての表示義務については特段規定
されなかったことから、当初からこれを問題として提起していた小規模生産者団体
の豪州牛肉協会(ABA)は、これを抜け穴と指摘し、内容に不満を表明している。

 高品質な牛肉については、MLAがミート・スタンダード・オーストラリア(M
SA)により品質表示を推進しており、今回の老廃牛の表示により低品質な牛肉に
ついても表示が行われるようになった。一方、連邦政府のトラス農相は、今回の表
示により中間品質の表示が抜け落ちることとなるとして、農相の諮問機関であるR
MAC(Red Meat Advisory Council)に対して消費者の信頼が得られるような牛
肉の格付けおよび表示制度について調査・検討をするように要請している。


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