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チーズ市場でシェア拡大を図るNZミルク社(タイ)



【シンガポール駐在員 小林 誠 7月26日発】タイでは97年末の経済危機により
乳製品の需要が大幅に落ち込むとみられていたが、予想に反し、需要は堅調に推移
し、その後も拡大が続いている。チーズもこの例外ではなく、市場が拡大する中で
第4位のシェアを有するニュージーランド・ミルク・タイランド社(NZミルク社)
が、国内大手ピザレストラン・チェーンであるピザハットのフランチャイズ問題
(後述)をきっかけとして大幅なシェア拡大を見込んでいる。

 所得の増加に伴って、食習慣が欧風化・簡便化し、乳製品の消費量が伸びること
が、近年、世界的な傾向となっていると言われている。

 タイは、日本と同様、米を主食とする食文化であり、伝統的にはチーズを食する
習慣がなかったが、最近の西欧風レストランの増加やパン食の普及により、チーズ
の消費量が増えている。

 チーズの輸入・販売を行っているNZミルク社は、今年の売上高が、前年を約67%
上回る2億5千万バーツ(約6億7,500万円:1バーツ=2.7円)に達すると見込んでい
る。タイのチーズ市場の規模は、22億バーツ(約59億4千万円)程度であり、市場
シェアは、オーキッド社が16%、アローリー社が15%、クラフト社が11%、NZミル
ク社は7%で第4位となっている。同社は、今年中にシェアを15%程度まで伸ばし、
上位3社の一角に食い込み、さらに、今後3年以内を目途に、売上高を8億バーツ(約
21億6千万円)以上とし、市場の主導的地位を得たいとしている。

 同社の2000年の売上高は1億5千万バーツ(約4億500万円)で99年の3倍となって
おり、今回の強気の見通しもこのような実績と昨年発生したピザハットのフランチ
ャイズ問題を背景としたものとなっている。昨年、タイのピザハットでは、フラン
チャイズの一翼を担っていたマイナー・フード・グループが独立し、ピザカンパニ
ー・チェーンを設立した。同チェーンは、自社のチーズ工場を有しており、ピザハ
ット全体への供給も行っていたが、フランチャイズ離脱により、NZミルク社が現
在国内で約70店舗を展開しているピザハットへのチーズの供給量を大幅に増加させ
た。

 NZミルク社のチーズ供給先は、50%がファスト・フード、20%がホテル、15%が
製パン業、残り15%がその他となっている。供給先の5割を占めるファスト・フー
ドには、ピザハットの他に、デイリー・クイーン、バーガーキング、デリ・フラン
スなどがある。

 同社では、プーケットやパタヤといった観光地にも代理店を設け、ホテルなどへ
の販売量を拡大するとともに、タイ航空の機内食にも販売を広げたいとしている。
さらに、現在のところチーズの消費がほとんどないが、所得の増加に伴って、将来
的にチーズの市場となり得るラオス、カンボジア、ミャンマーでの販売促進も行い、
地域内での優位性を確保したいとしている。


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