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統計で見るオーガニックの状況(米国)


【ワシントン駐在員 道免 昭仁 12月5日発】  オーガニック食品の生産・表
示・認証等に関する連邦規則は、本年10月21日から施行され、10月末時点で10の
州政府機関と61の民間・団体機関がオーガニックの認証を行っている。すでに一
部スーパーなどにおいて「米農務省(USDA)認定マーク」(「海外駐在員情
報(通巻544号)」参照)を表示した食品を購入することができる。こうした中、
USDA経済調査局(ERS)は、2001年にオーガニック認定された農地面積な
どを「Agricultural Outlook(11月号)」で公表した(下表参照)。

 農地のうち、牧草地は、104万エーカー(420,888ヘクタール)で、97年との比
較では210%増となった。州別には、コロラド(約51万エーカー)、テキサス(
約22万エーカー)、モンタナ(約14万エーカー)の3州で全体の約8割を占めて
いる。なお、2001年には、37州においてオーガニック家畜生産農場が認定されて
いる。耕地は、約131万エーカー(約530,157ヘクタール)が認定され、野菜・果
実の生産地であるカリフォルニア州(約15万エーカー)や小麦・大豆などの生産
地であるノースダコタ州(約14.5万エーカー)などが多い。オーガニック認定さ
れたすべての農地面積は、オーストラリア(1,900万エーカー)、アルゼンチン
(690万エーカー)、イタリア(260万エーカー)に次ぎ世界第4位となっている。

 畜産関係では、肉用鶏(七面鳥を含む)の約338万羽(97年比86.7倍、以下同
じ)、採卵鶏の約161万羽(3倍)、乳牛の約4万8千頭(約3.8倍)の認定頭羽
数が多い。特に、肉用鶏(七面鳥を含む)の伸びが著しいのは、肉牛などに比べ
容易に飼養形態が変えられることや99年2月にはじめて食肉および家きん肉への
オーガニック表示が認められたことなどがその要因と考えられる。

 また、オーガニック食品の販売先については、91年では、自然食品スーパーが
68%、一般的なスーパーが7%、農産物直売市場が25%となっていたものの、
2000年には、自然食品スーパーが48%、一般的なスーパーが49%、農産物直売市
場が3%となっている。なお、これらスーパーで販売されているオーガニック食
品のうち、生鮮野菜・果実が飲料(牛乳を除く)、穀物(パンを含む)、オーガ
ニック加工食品(ベイビーフード、スープなど)、乳製品を抑えて最も売れ行き
が良い。   

 オーガニック市場は、過去10年間で平均20%を超える成長を続けており、2001
年のオーガニック食品の販売額は約90億ドル(約1兆1,250億円、1ドル=125円)
に達している。これは、食品販売額全体の約2%に過ぎないが、食品の安全性や
環境への配慮に対する消費者の関心が高まる中、どこまで急成長を続けるのか注
目される。
オーガニック認定された農地面積などの推移(単位:千エーカー、頭・羽数、%)
  97年 2000年 2001年 97/2001(%) 2001/01(%)
草地 496 810 1,040 210 128
耕地 850 1,219 1,305 154 107
牛肉 4,429 13,829 15,197 343 110
乳牛 12,897 38,196 48,677 377 127
482 1,724 3,135 650 182
羊・子羊 705 2,279 4,207 597 185
採卵鶏 537,826 1,113,746 1,611,662 300 145
ブロイラー 38,285 1,924,807 3,286,456 8,584 171
七面鳥 750 9,138 98,653 13,154 1,080
認定生産者 5,021 6,592 6,949 138 105
(参考:1エーカー=0.4047ヘクタール)
 

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