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フィードロット業界も干ばつの影響が顕著に(豪)



【シドニー駐在員 粂川 俊一  11月7日発】 豪州フィードロット協会(AL
FA)は11月7日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査による四
半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査の結果を発表した。これによると、
総飼養頭数は2002年9月末時点で、過去最高を記録した前年同期と比べ12%減の
65万3千頭であった。
州別飼養頭数内訳(単位:頭)
  9月末 前期比

増減率

前年同期比

増減率

NSW州 249,239 △0.5% △6%
QLD 329,914 △15% △16%
VIC 42,622 △8% 20%
SA 15,568 △7% 0.1%
WA 15,538 △55% △53%

合計

652,881 △11% △12%
仕向け先別飼養頭数内訳(単位:頭)
日本向け 321,282 △10% △22%
韓国向け 13,395 △33% △35%
他輸出 20,381 1% 63%
輸出計 355,058 △11% △21%
国内向け 265,273 △15% △7%
その他 32,550 26% 246%

合計

652,881 △11% △12%
 前回(6月末時点)の調査時には、干ばつの飼料確保に与える影響が懸念され
ていたが、今回の調査ではそれとの比較で11%の減少となった。
 
 フィードロット飼養頭数を州別に前回の6月末と比較してみると、すべての州
で減少した中でも、全国の約5割を占めるクインズランド(QLD)州や西オー
ストラリア(WA)州でそれぞれ15%減、55%減と目立った落ち込みを示してい
る。ALFAは、この要因について、多くのフィードロット、特にQLD州で、
素牛導入の一時停止などを行っていたことを挙げている。こうした動きは、事業
の収益性の確保が困難となったためである。これは、過去6ヵ月間で肥育素牛価
格の25〜40%の下落があったものの、同期間に飼料穀物価格が2倍近い値上りし
たことなどによるものである。

 フィードロットの収容可能頭数に対する利用率は全体で76%と前回調査から6
ポイント減少しており、QLD州が80%と前回から8ポイント減少、WA州では
33%と36ポイントも減少した。

 また、仕向け先別に見ると、輸出向けが35万5千頭で全体の54%、国内向けが
26万5千頭で同41%となり、6月と比較して内外シェアにほとんど変化はないも
のの、頭数シェアでは6月末と比較して輸出向けが11%、国内向けが15%の減少
と全体頭数の減少がそのまま反映されている。干ばつ時には放牧飼養が困難とな
るため、フィードロットへの導入が促進される傾向が見られるが、今回は仕向け
先が不明の「その他」頭数の大幅な増加に表れている。ただし、このことは同時
にフィードロット業界が飼料穀物や輸出面で不安定な状況に置かれていることを
反映しているとみられる。

 ALFAでは、フィードロット業界が現在、飼料価格動向やフィードロット肥
育に適した肉牛調達の観点から未知の領域に直面しているとして、今後の考慮す
べき事項として次の2点を挙げている。
 
 フィードロット経営者が、特に穀物調達の可能性や価格動向に関して、思惑な
どではなく客観的な事実に基づき、重要な意思決定をすること

 肉牛生産者が、繁殖牛を維持し、今年出生した子牛を数ヵ月先のフィードロッ
トへの出荷のために飼育する能力を維持できるかどうかについて十分に検討する
こと

その上で、ALFAは、「連邦・各州政府は、食肉業界が置かれている状況を認
識し、長期的な戦略に共同で取り組まなければ、世界最大の牛肉輸出国としての
豪州の名声は、今後10年近く失われてしまうことを十分に理解する必要がある」
と、支援対策の強化を求めている。 

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