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アルゼンチン、隣国の口蹄疫発生で防疫対策を強化


ボリビアとパラグアイで口蹄疫が発生

 国際獣疫事務局(OIE)は7月10日、ボリビア南部のチュキサカ県で牛4頭に口
蹄疫ウイルス(血清型O)が確認されたとの通報を受けた。感染源は、近隣県由来
の家畜であるとしている。アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)によ
ると、発生場所は、パラグアイの国境から約200キロメートル、アルゼチンの国境
から約250キロメートルに位置している。

  また、パラグアイの衛生当局は 7月12日、アルゼンチンの国境から約3キロメー
トル、ボリビアの国境から約7キロメートルに位置するパラグアイ西部のボケロン
県ぺドロペーニャ地区ポソオンドの先住民移住地において8日に擬似患畜が確認さ
れ、サンプルを検査した結果、口蹄疫ウイルス(血清型AおよびO)が検出された
と発表した。OIEが7月13日に受けた通報によると、発生場所における偶蹄類の
家畜飼養頭数は、牛95頭、羊160頭、山羊60頭で、このうち、牛13頭に感染が確認
された。なお、感染源は特定されていない。


 

アルゼンチンは防疫対策を強化 

  SENASAは7月11日時点で、国境付近の防疫対策を強化する旨のプレスリリ
ースを発表した。

  続いて、両国で口蹄疫の発生が確認されたことを受け、SENASAは7月11日
から14日にかけて防疫対策を実施した。その概要は次の通りである。

 @  州政府、地方衛生機関、国境警備隊、沿岸警備隊、家畜取引業者、と畜場
     など、疫学監視システム上の各監視所へ衛生警告 

 A  アルゼンチン北部の国境地帯に位置するサルタ州サルバドールマッサから
     フォルモサ州ポソデマッサに至る全長 250キロメートル、国境から25キロメ
     ートルの帯状地帯において、口蹄疫に感受性のある中小家畜すべてに予防接
     種を実施
    
 B  隣国の発生地域と疫学上の関係のある飼養施設などにおいて、追跡調査を
     実施

 C  目的地や目的に関係なく、Aの地域での家畜移動を禁止。また、これ以外
     の地域では、SENASA決議 第34/2002号(2002年4月1日付け)に明記さ
     れている通り、移動の対象となる子牛は口蹄疫ワクチン接種を2回、成牛は
     180日以内にワクチン接種を受けていることを確認

 D  国境警備隊、沿岸警備隊、ならびに州警察によるボリビアとパラグアイ国
     境の検疫管理の強化。特にアルゼンチンのサルタ州サルバドールマッサから
     ボリビア側に通じる橋で強化され、当国に入国する車両の消毒を実施。また、
     国境警備隊と州警察によるアルゼンチンのサルタ州ミシオンラパスからパラ
     グアイ側に通じる橋に消毒所を設置するとともに、通行人に緊急事態を知ら
     せ、氏名や行き先の確認

 E  国境地帯において、パラグアイの衛生当局などと協力した検疫管理



EU向けにと畜される家畜出荷を一部停止

 また、SENASAは7月15日、パラグアイのボケロン県と接しているアルゼン
チン北部のサルタ州リバダビア郡とフォルモサ州ラモンリスタ郡から、EU向け輸
出のと畜を目的とする家畜の出荷を90日間停止した。同地域にEU向けの輸出認定
を受けた食肉処理加工施設はないとしているが、同地域から当該家畜が地域外に出
荷される可能性を想定して講じられた措置とみられる。

  アルゼンチンでは、OIE動物疾病科学委員会により、パンパ地域を含む南緯42
度以北が、7月7日から口蹄疫ワクチン接種清浄地域に認定されたばかりであり、パ
ラグアイ、ボリビアとの国境付近の防疫対策を徹底することで、同国への伝播を食
い止める構えである。



【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 7月16日発】 


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