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米国農務省、食品安全の強化方針を公表


FSISは、食品安全の向上のための具体的なビジョンを公表 

  米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、7月10日「公衆衛生の向上のため
の将来的な戦略」と称する食品安全に関するビジョンを公表した。同ビジョンでは
、食肉、鶏肉および卵製品の安全性を向上し、食中毒の原因を減らすことに引き続
き努力を行っていくとして、具体的な方針が示されている。これは、今年3月のベ
ネマン農務長官による「FSISが行なう食品安全に関する取り組みを次なる段階
に進める」との方針の表明を受けたものである。

  また、公表に際しFSISのムラノ次官は、「米国では世界でも最も安全性の高い食
品が供給されており、この水準は向上している。近年、食中毒は減少傾向にあるが
、さらにこれを減らしていく努力が必要であることを強く認識する必要がある。方
針は、われわれが将来にわたって努力を続けるに、リスクと科学に基づいた解決策
に着目するよう導くものである」とした。

 具体的な方針の概要は以下のとおり。

 1 食品安全のための技術の向上

   食肉および鶏肉のと畜および加工の段階での安全対策の実施を促進するため、
  FSISに微生物制御のための技術の再検討を行なう新たな部門を設立する。
 
 2 水準把握のための研究
 
     FSISは生の食肉および鶏肉における個々の病原性微生物の全国的な水準を把
  握するための基礎の研究を指揮する。地域性や季節性等も加味した調査を行な
  うことにより、危険度評価のための詳細な情報を収集整理し、より効果的な公
  衆衛生管理が期待される。

3 研究課題

     食品安全上の要請のある研究課題を優先させる。その際、本年6月に開催さ
  れた食品安全研究課題シンポジュームにおける産業界、学会の意見を参考にす
  る。

4 危険度評価の調整

     より焦点を絞り、かつ、長期にわたる危険度評価を計画的に実施できるよう、
    危険度評価の調整のためのチ−ムを組織する。また、危険度評価が最善の科学
    を活用し、より効果的なものとなるよう、USDA内外の研究者の調整を図る。

5 訓練

     現状の新たな食品安全規制の実施と強化に組織が十分対応できるよう教育・
  訓練プログラムを見直す。科学的原則に基づいた検査技術や規制に関する訓練
  の融和により公衆衛生のための訓練プログラムを更新する。職場が近い職員の
  相互的な会合のみならず現場や地方での訓練の機会の増大を図る。

6 最善の管理の実施

     畜産の生産者、研究者および主な技術者とFSISが共同で、例えばフィードロ
  ットからと畜場に搬入し、と畜する前に病原を減らすためのガイドライン等に
  より家畜生産施設における最善の管理を推進する。
    


高次元の食品安全の達成のためのビジョン

  これまで人の病原体として認識されていなかった病原体の出現や食品の取り扱い
や消費の変化に対応するため、流行等のデータの分析による早い時点での危険の認
識と合わせ適切な対策が迅速に実施されることが公衆衛生上の被害を最小限にする
として、@データ収集による危険の予知、A規制の適用における危険の改善、B公
衆衛生以外の目的で収集されたデータの有効活用を行っていきたいとしている。

  

【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 7月16日発】

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