ALIC/WEEKLY

週報「海外駐在員情報」


平成15年5月20日号(通巻578号)


家きんペスト、ドイツにも拡大(full story)

【ブラッセル駐在員 山田 理 5月14日発)】  ドイツ連法政府衛生当局は5月
9日、オランダ国境近くのドイツ中西部の肉用鶏飼養農家で鳥インフルエンザの発
生が疑われていることをEU委員会などに対し通報した。13日には確定診断によ
り高病原性鳥インフルエンザ(HPAI:家きんペスト)であることが確認された。
オランダやベルギーでは沈静化の兆しが見えてきた矢先だけに、今後のHPAIの
感染動向が注目される。


米国等、EUのGMO新規認可停止をWTO紛争解決に(full story)

【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 5月14日発】 米国通商代表部(USTR)と米国
農務省(USDA)は5月13日、欧州共同体(EU)による遺伝子組み換え体(G
MO)の新規認可停止について、アルゼンチン、カナダ、エジプトともにWTO協
定に基づく2国間協議要請を行ったことを明らかにした。米国等は、EUの措置が
科学的根拠に基づいていないとして、WTO・衛生植物検疫措置の適用に関する協
定(SPS協定)に整合させるよう求めており、協議要請から60日以内に話し合
いによる解決に至らなかった場合、米国等はWTO紛争解決機関にパネルの設置を
要請し、その判断を求めることが可能となる。

豪・米FTA交渉をめぐるオセアニアの動向(full story)

【シドニー駐在員 粂川 俊一 5月14日発】  豪州と米国の自由貿易協定(FT
A)交渉は、昨年11月に交渉開始が合意され、今年3月に第1回目の交渉が行われ
たが、豪州側の関心が強い農業分野については困難な展開が予想されている。この
ような中、豪州肉牛協議会(CCA)は5月12日、豪州産牛肉の完全かつ迅速な市
場アクセスの獲得を目指すため、FTA交渉について支持することを改めて発表し
た。一方、隣国ニュージーランドでは、この交渉に関連してフォンテラと米国乳業
会社との合弁事業に影響が生じる可能性も指摘されている。

新型肺炎の影響でブロイラー生産者価格下落(マレーシア)(full story)

【シンガポール駐在員 小林 誠 5月14日発】 マレーシア畜産農家協会連合に
よれば、消費者の重症急性呼吸器症候群(SARS:サーズ)への懸念からファースト
・フードなどの外食産業が不振となり、4月のブロイラーは消費量を20%程度上回
る供給過剰となっており、農家出荷価格も大幅な下落傾向が続いている。サーズの
消長が見とおせないことから、首都クアラルンプールなど主要消費地では同連合の
指標価格を大幅に下回る投げ売りも発生しており、減羽などによる早急な対策が必
要とされている。

アルゼンチンのパンパ地域北部で大規模な洪水(full story)

【ブエノスアイレス駐在員 犬塚 明伸 5月14日発】  アルゼンチンのパンパ地域北部
のサンタフェ州を中心に降った雨により河川がはんらんし、家屋、農牧地、道路等
が浸水する大災害となった。サンタフェ州農牧商工省の発表によれば、被害にあっ
た農地面積は485万ヘクタール、被害額は12億3千万ペソ(約515億円、1ペソ=
42円)で、そのうち畜産関係が453万ヘクタール、8億9千万ペソ(約374億円)と
大部分を占めている。

 

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