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インパクトのある内容が話題に チリでは、生乳生産者連盟(Fedeleche) が中心となり、政府、生産者、乳業メーカーなどが一体となった牛乳 の消費拡大を目的とした全国的なキャンペーンが2002年から実施されてきた。 キャンペーン開始の年である2002年は、スポットCMに様々な分野で活躍する著名人が目を隠して登場し、「昔か ら色々な場所でこっそり飲んでいた」と告白する。何を飲んでいたかを明らかにしないため、アルコールか麻薬か または別のものかと話題になったところで、2週間後に第2弾として、目隠しを外した彼らが再び登場し、「牛乳 を飲んでいた」と打ち明けるものであった。 2003年は、テレビや出版物を通じ、知名度の高い俳優などが「真実を言いたい、それは牛乳を飲んでいること」 と訴えかけた。 3年目に当たる2004年は、テレビやインターネットにスポーツ選手、俳優、ミュージシャンなど10名の著名人が 牛乳の入ったコップを手に裸で登場し、それぞれの表現で牛乳の健康への効果を語る内容となっており、牛乳が世 代を問わず重要な製品であることを訴えている。 毎年のキャンペーンに登場する著名人は、いずれも定期的に牛乳を飲んでいることから起用されており、どんな に有名であっても牛乳を飲む習慣がなければ、当然のことながら、キャンペーンには参加できない。 http://www.fedeleche.cl 1人当たり年間消費量は上昇傾向 チリ農業省農業政策・調査局(ODEPA)によると、2003年の牛乳・乳製品の1人当たり年間消費量は前年比6% 増の130リットルとなった。2004年についても引き続き好調が見込まれ、少なくとも133リットルまで増加するもの と期待している。Fedelecheでは、年間消費量の増加にキャンペーンの効果の手ごたえを感じており、5年以内に 世界保健機関(WHO)が適正としている指数である年間160リットルを達成できるものとみている。 2004年の対象は10〜24歳の若い層 前回までは学齢期の子供とその母親を主な対象としてきたが、今回のキャンペーンでは、牛乳を敬遠しがちな10 〜24歳の若年層を対象に、牛乳に対するイメージの刷新を図ることが大きな狙いとなっている。 2004年のキャンペーン費用は9億ペソ(約1億5千万円:1ペソ=0.17円)と前年の5億ペソ(約8,500万円)から 大幅に増額されている。 費用は生産者、乳業メーカー、農業省がそれぞれ3分の1ずつ負担している。 Fedelecheでは、今後は厚生省や文部省と共同で学校や病院を対象とした促進活動も行いたいとしている。 ○ロシア、アルゼンチンはブラジル産食肉の輸入一時停止措置を解除 ブラジル農務省の6月30日付けプレスリリースによると、ブラジル北部パラ州で発生した口蹄疫問題により停止 していたロシアへの食肉輸出が同日付で解除された。これにより、国際獣疫事務局(OIE)より口蹄疫ワクチン接 種清浄地域と認められている15州のうち、パラ州に隣接するマットグロッソ州を除く14州からの輸出が再開される。 また、ロドリゲス農相はロシアがブラジル食肉の主要な輸出先であることを強調し、2004年の家畜衛生計画に1億 400万レアル(約36億4千万円:1レアル=35円)を投じ、衛生対策を強化することを明らかにしている。 一方、アルゼンチンでも、農畜産品衛生事業団(SENASA)は、6月23日より停止していたブラジルからの食肉輸 入を7月3日から再開することを公表した。これにより、OIEによりワクチン接種清浄地域と認められている15州 からの輸入が可能となった。 【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成16年7月8日発】
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