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食品関係団体の代表から構成する助言グループを設置 欧州委員会は8月30日、消費者、食品流通業者、農家などの代表により構成されるフードチェーン・動 植物衛生に関する助言グループを設置したことを発表した。この助言グループは、EUレベルの各種の団 体代表者による最大45名からなり、少なくとも年に2回会議が行われる。同グループは、欧州委員会が作 成する食品安全政策に関する幅広い分野について助言を与えるために設置された。 助言委員会を再編成 欧州委員会には、管理委員会、法制委員会、助言委員会があり、これら委員会の意見を受けて共通農業 政策(CAP)の運営や食品安全に関する規則案の作成などが行われている。上記の3つの委員会は、欧 州委員会からの提案事項について審議を行い、承認または不承認の意見を付す。ただし、助言委員会は、 欧州委員会の提案について意見を付すが、欧州委員会はその意見に拘束されない(実際には、この意見を 尊重することが多い。)。なお、助言委員会は、社会・産業の各層の代表者から構成されている。 欧州委員会は2004年4月、1999年と2003年におけるCAP改革や、2004年5月のEU拡大に伴い、助言 委員会の構成を見直す必要が生じたため、農業分野に関する助言委員会を再編成した。これまで、農業分 野においては、穀物、家畜、農村開発など10の「助言委員会」を設置していたが、ほかの分野の規則でも 同じ「助言委員会」という名称を使用しているものがあり、混乱を避けるため4月からは、「助言グルー プ」とすることとした。 また、これまでの農業分野における助言委員会の中には、「農産物の衛生と安全に関する助言委員会」 が設置され、食品安全分野には「食料に関する助言委員会」が設置されていた。このたび、消費者保護の 観点から前者の担当事項のうち食品安全に係る事項と、後者の担当事項をフードチェーン・動植物衛生に 関する助言グループが一元的に担うこととなった。 5つの事項に助言 今回新たに設置されたフードチェーン・動植物衛生に関する助言グループは、欧州委員会と欧州の各種 団体との間で、食品安全政策についての意見交換を促進するため設置された。この助言グループでは、 @食品と飼料の安全、A食品と飼料の表示およびその表現方法、B人栄養学、C動物衛生と動物福祉、 D植物防疫の5つの事項について助言を与えることとなっている。 この助言グループの設置について、欧州委員会のバーン委員(保健・消費者保護担当)は、「関係者と 討論や意見交換を行うことは、われわれが質の高い政策を作成するための助けとなり、良い政策を実施す るためには不可欠な要素である」とコメントしている。 なお、本グループのメンバーについては、現在募集中であり、10月から11月までに決定され、年内に第 1回目の会合が開催される予定となっている。 ◎EUの米国テキサス州からの家きん肉などの輸入一時停止措置が終了 米国のテキサス州における鳥インフルエンザ発生による、同州からEUへの生きた家きん、家きん肉、 卵などの輸入一時停止措置については、欧州委員会が本年4月6日に決定した当該措置が、8月23日をも って期限となったことから、同日をもって終了した。 【ブリュッセル駐在員 山ア 良人 平成16年9月1日発】
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