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米国産牛精液の輸入に係る衛生証明書を受諾 アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)の9月8日付けプレスリリースによれば、アルゼンチンは米 国産牛精液の輸入を解禁する方針である。 米国産精液はほかの牛関連製品とともに、2003年12月の米国におけるBSE発生に伴い、アルゼンチン 農畜産品衛生事業団(SENASA)決議第117/2002号(決議第1052/2002号で一部改定)により発生国から の輸入は自動的に禁止されている。 なお同プレスリリースでは、米国側から提案された“米国産牛精液の輸出に係る衛生証明書”を受諾 する方針を米国側に伝えたと報じているのみであるため、家畜衛生に関する実務を担当しているSENASA に「米国産牛精液の輸入解禁に向けた新たな決議の公布の有無」を確認したところ、現在まだ作業中と の回答があり、実際の解禁にはまだ多少時間がかかりそうである。 ※ 国際獣疫事務局(OIE)のBSEに係る国際動物衛生規約によれば、精液は牛乳・乳製品などとともに、 BSEステータスに関係なく輸入に際してBSE関連の条件を課すべきではないとされている。 長官、亜国産牛肉の解禁につながることを期待 SAGPyAのカンポス長官はこの方針に対して「米国とは現在、アルゼンチン産骨なし熟成生鮮牛肉の輸 出解禁に向け交渉中であり、未解決な課題が存在しているが、今回の措置はわが国の製品に対してポジ ティブなサインとなるかもしれない」とコメントしており、米国産牛精液の輸入解禁が、亜国産生鮮牛 肉の輸出解禁につながることを期待している。 ブラジル、亜国産牛精液の輸入を解禁 また、同プレスリリースでは、約1年前からアルゼンチン産牛精液の輸入を禁止してきたブラジルが 輸入を解禁することで合意したことも発表している。アルゼンチンにとって重要な輸出市場であるコロ ンビア、パラグアイ、ボリビアなどがすでに解禁しているところであるが、今回輸出市場として大きく 期待されるブラジルが解禁することに対しカンポス長官は「このように国際的な協定が結ばれることは、 アルゼンチンの牛関連製品に対して、国際市場への良いシグナルを与える重要な出来事である」と衛生 交渉の進展によりさらに牛関連製品の輸入解禁国が増え、アルゼンチンの輸出がさらに増加することを 期待した。 ◎ブラジル、パラグアイとの国境監視を強化 8月25日ブラジル農務省が発表したところによると、中西部のマッドグロッソドスル州、パラグアイ と国境を接する4郡、25万頭の牛に対し、口蹄疫のワクチン接種を緊急に実施している。これはパラグ アイにおいて、口蹄疫の小水疱症状と類似する膿疱性顆粒が見られる牛伝染性鼻気管炎の発生が確認さ れたための予防的措置であると説明している。 また両国政府は牛の衛生監視に向けた国境委員会を設置することを決め、これには南米南部農牧審議 会(CAS)常設獣医委員会やパンアメリカン口蹄疫センター(PANAFTOSA)も参加し、パラグアイにおけ る呼吸器系疾病についてより詳細な情報を得るため現地調査に協力することとなった。 なお国境監視にはブラジル陸軍の協力を得ており、9月6日の農務省の発表によれば5カ所の監視所 を「国境50キロメートルをカバーするため20カ所に増設したい意向である」としている。 【ブエノスアイレス駐在員 犬塚 明伸 平成16年9月14日発】
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