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米国、新たな食生活ガイドラインを公表


新たな食生活ガイドラインはカロリー摂取の低減と運動の実施を主眼に

  ベネマン農務長官とトンプソン保健社会福祉長官は1月12日、「国民のための食生活ガイドライン(2005
年版)」を公表した。このガイドラインは、栄養と運動により健康の増進と慢性疾患によるリスクを低減す
るための連邦政府による科学に基づいた助言である。今回公表された第6次の改訂版は、国民の約3分の2
が体重過多または肥満であり、約半数が運動不足であるとの実態を踏まえ、摂取カロリーの低減と運動量の
増加に主眼を置く。内容的には昨年8月に公表された2005年版栄養ガイドライン顧問委員会のレポートに沿
ったものとなっている。

 トンプソン長官は「このガイドラインは、国民が健康な生活を営み長生きすることを助長する最善の科学
に基づく勧告である。連邦法により米国農務省(USDA)と米国保健社会福祉省(HHS)のこの共同プ
ロジェクトは少なくとも5年に一度見直すこととされている。このガイドラインは連邦の食料施策や栄養教
育施策の基礎をなすとともに、ブッシュ政権の健全な米国のための推進の柱である栄養と運動を支持するも
のである」との声明を公表した。また、ベネマン農務長官は、「今回のガイドラインは、国民は健康的な体
重を維持し十分な運動を行わなければならないとの原則に着目している。今回の勧告を作成する過程はこれ
まで以上に厳格かつ透明性の高いものであった。勧告をすべて実施することは、@消費者があらゆる食品群
から賢明な選択を行うこと、A消費されるカロリーの範囲内で大半の栄養を摂取すること、B食事と運動の
バランスを取ること−を支援するであろう」との声明を公表した。



畜産業界の反応は低調
 
  米国食肉協会財団は「食肉や鶏肉のような優れた高濃度のたんぱく源は、重要ビタミン類、ミネラルなど
を供給するものであり、栄養的な食事をとる上で不可欠なものである」との声明を公表したが、総じて畜産
業界の反応は低調である。



◎ 米国大手食肉加工業者、牛肉加工場の一時操業停止を発表

  米国の食肉加工業者の最大手であるタイソン・フーズ社は1月6日、中西部および北西部にある食肉加工
場の一時的な操業停止を発表した。

 同社は1月10日より、アイオワ州、ネブラスカ州、アイダホ州にある4カ所の加工場を一時的に閉鎖する
とともに、ワシントン州にある一加工場の第二シフトを一時的に停止した。このような操業の一時停止は3
〜5週間実施される予定であるとされ、操業の一時停止前と比較すると同社の一週間当たりのと畜頭数は2
万5千〜3万頭減少する見込みであるとされる。また、これに伴い全体で約2,100名の労働者が影響を受け
ると見込まれている。

 同社はここ2カ月間以上、最大と畜能力の75%以下の水準での操業を強いられてきたとし、この水準は平
年と比較して10〜15%低い水準であったとしている。同社は一時操業停止を行う理由として、@と畜牛の供
給が厳しいこと、A米国内での牛肉消費が活気に欠けていること、B主要な海外市場への輸出が停止してい
ること−などにより利ざやが不利なものとなってきていることを挙げている。

 この同社における操業の一時停止問題は、1月6日に開催された米国上院農業委員会におけるジョバンズ
・ネブラスカ州知事の次期農務長官指名に係るヒアリングでも、アーカンソー州選出のリンカーン議員(民
主党)により取り上げられ、日本などへの牛肉の早期輸出再開が求められ、ジョバンズ知事からは最優先課
題として取り組んでいくとの意思表示がなされた。

  

【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 平成17年1月19日発】


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