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アルゼンチン、口蹄疫撲滅対策の地域区分変更を検討


南緯42度以北の一部を口蹄疫ワクチン不接種清浄地域へ

 アルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)は10月12日、「口蹄疫ワクチン不接種清浄地域
拡大プロジェクト」に関するプレスリリースを発表した。

 アルゼンチンの南緯42度以南のパタゴニア地域は、2002年5月に国際獣疫事務局(OIE)から口
蹄疫ワクチン不接種清浄地域として承認されており、チュブト州、サンタクルス州、ティエラデルフ
エゴ州の3州が含まれ、「アルゼンチン口蹄疫撲滅計画」の中で、“南パタゴニア地域”と呼ばれて
いる。

 そしてその北側には、リオネグロ州(ただし北パタゴニアA※を除く)とネウケン州(ただしコン
フルエンシア地域を除く)の2州から成る“北パタゴニアB”があり、この地域はワクチン不接種の
監視地域として、ワクチン接種地域との間に存在していた。

※:ワクチン接種を実施する緩衝地域として存在。

 この状況に対し昨年から、北パタゴニアBの州政府関係者や生産者団体などは「ワクチンを接種し
ていないが口蹄疫の発生はなく、南パタゴニア地域のようにワクチン不接種清浄地域のステータスを
取得した方が、国際貿易上有利である」として、ワクチン不接種清浄地域の拡大を要望する声が高ま
っていた。

 よって今回この件について、SENASA総裁、農牧水産食糧庁(SAGPyA)副長官、リオネ
グロ州の生産大臣やリオネグロ南部ENTE(ワクチン接種を実施する生産者団体)、パタゴニア動
植物防疫財団(FUNBAPA)、リオネグロ農協連合の各代表などが集まり、ワクチン不接種清浄
地域として国際ステータスの拡大を目指すことが合意され、プレスリリースで「新たに承認されれ
ば、ワクチン不接種清浄地域において飼養された家畜やその製品を受け入れる新市場との交渉を一層
進展させるであろう」とした。

 なお今回の措置をOIEへ申請するに当たり、@衛生監視施設の移動や新設、A北パタゴニアAと
Bの境界地域において、ワクチン接種をした牛を判別しやすくするための個体識別の促進−などの実
施が必要になるとしている。

 またSENASAに、今後の予定を質問したところ、現在は衛生監視施設の移動および新設を実施
中であり、次期OIE総会において承認されるために、来年3月にワクチン不接種清浄地域としての
申請手続きを行う予定であるとのことであった。


  (参考)口蹄疫撲滅計画(2001年8月)から抜粋



◎鳥インフルエンザ、南米でも懸念

 アルゼンチン保健環境省は10月18日、コロンビアやEUにおける鳥インフルエンザ発生に対して記
者会見を行い、「アルゼンチンでは鳥インフルエンザの発生はないものの、SENASAとともに監
視体制は整っており、何も心配はない」ことを強調し、また「万一に備え、オセルタミビル(商品名
:タミフル)を購入している。さらに国内でも生産できるようにパテント解除(強制実施権)を申請
する予定である」と話した。なお記者から「どのくらいの量を購入しているのか」という質問に
「(発生の可能性に応じた防疫行動上のストックであるため)全国民分はない」と回答した。

 ブラジルでは10月19日に連邦政府が、「鳥インフルエンザ予防のための関係省庁常設グループ」を
結成し、「衛生分野の連携活動を強化し、鳥インフルエンザの侵入を防ぐ」とした。また同月25日に
は関係省庁や生産者団体などが集まり、鳥インフルエンザ予防計画を討議した。

 南米における鳥インフルエンザ発生を懸念する声は、あまり他地域ではニュースになっていないよ
うであるが、コロンビアで鳥インフルエンザが確認されたことで、南米でもかなりセンシティブにな
っている。



【ブエノスアイレス駐在員 犬塚明伸 平成17年10月26日発】 

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