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フィードロット飼養頭数、9.8%減の79万頭に(豪州)


収容可能頭数の拡大で稼働率は低下

 豪州フィードロット協会(ALFA)は10月25日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同
調査による四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を発表した。

  これによると、2005年9月末時点の総飼養頭数は79万2千頭と、前回調査(2005年6月末)に比べ
て9.8%の減少となった。一方、フィードロット収容可能頭数は109万8千頭となり、前回調査で初め
て100万頭台に達して以来、拡大を続けている。この結果、フィードロットの稼働率は72%と、前回
調査から13ポイント低下した。




日本向けは1%増と堅調に推移

  フィードロットの飼養頭数を州別にみると、西オーストラリア(WA)州を筆頭に前回調査比で各
州とも軒並み減少した。特にWA州では、大手パッカーの経営不振による規模縮小や、価格上昇によ
る東南アジア向け輸出の不振など、マイナス要因が相次いだ。

  一方、飼養頭数を仕向け先別にみると、輸出向け飼養頭数は52万9千頭でフィードロット全体の67
%となり、前期比4%の減少にとどまった。輸出先別では、一定の需要を確保した日本向けが前期比
1%増の49万8千頭となったものの、韓国向けは同67%減の1万2千頭と大幅に頭数を減らしている。

  フィードロット収容可能頭数については、主要肉牛生産地のクイーンズランド(QLD)州で新た
に5万頭規模のフィードロット立ち上げなどが寄与し、前回調査に比べて6.8%拡大した。



肉牛価格の上昇、韓国向け減少などが要因

  フィードロット飼養頭数減少の要因についてALFAでは、干ばつによる国内主産地での肉牛の供
給不足やそれに伴う肉牛価格の上昇、また、米国産牛肉の輸入再開問題を踏まえた韓国向け飼養頭数
の減少などを挙げている。

  特に、最近の肉牛価格高騰は、フィードロットの経営にも大きな影響を及ぼしている。MLAが発
表した最新の肉牛市場取引価格によると、6月以降の降雨で生産者が市場出荷を絞り込んだことから
価格は上昇に転じ、肉牛市場取引価格の指標となる東部地区若齢牛指標価格(EYCI)は、7月に
入りキログラム当たり400豪セント(356円:1豪セント=0.89円、枝肉換算重量ベース)前後での記
録的な水準で推移している。

  また、ALFAでは、米国産牛肉の輸入再開を視野に、輸入国側から牛肉価格の引き下げを求める
動きがあり、フィードロット各社が計画の見直しを行ったこともマイナス要因に働いたとみている。




【シドニー駐在員 横田 徹 平成17年10月26日発】



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