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1人当たり年間消費量は100リットルに回復 デイリー・オーストラリア(DA)は9月29日、2004/05年度の国内の牛乳消費量について、初めて200 万キロリットル台に達したことを発表した。国民1人当たりの消費量も100リットル台に回復し、前年度 比1.5%の増加となった。DAでは、牛乳消費が増加した要因の一つとして、豪州に深く浸透しつつある 「カフェ文化」を挙げており、カフェと呼ばれるコーヒーショップで提供されるカフェオレやカプチーノ などの消費が、牛乳全体の消費量を押し上げたと分析している。 豪州の1人当たりの年間牛乳消費量は、清涼飲料水の台頭などにより、過去10年間、ほぼ減少傾向で推 移してきたが、近年の「カフェ文化」の浸透によるコーヒーショップの増加、また、朝食スタイルの変化 に伴うシリアル消費の拡大、さらに、機能性牛乳の投入などにより、昨年度から2年連続して増加に転じ ている。 カフェラテなどの販売総数は年間16億杯に DAでは、牛乳消費量回復の大きな要因として、イタリア系移民などを通じて広がったとされる国内で の「カフェ文化」の浸透を挙げている。大手調査機関が2004年に発表した豪州国内のコーヒーに混ぜる牛 乳消費に関する調査結果によると、豪州国内の大手コーヒーチェーンの店舗数は、地元資本や米国資本な どを中心に2001年の399店舗から2004年には835店舗と大きく拡大しており、また、これらの店舗で販売さ れたカフェラテやカプチーノなどのいわゆる牛乳を多量に用いたコーヒーの販売総数は、2002年の1年間 で7億2千万杯となっている。さらにDAの調べでは、2001年から2004年の3年間で中小を含めたコーヒ ーショップの店舗数は倍以上の率で急増し、2004年にはそれらの店舗で約16億杯のコーヒーが販売され、 その大半はカフェラテなど牛乳を用いたものであったとしている。単純計算では、家庭での消費を除く国 民1人当たりで見ると年間約80杯の消費となる。 1%の上昇で牛乳消費量は回復との見方 また、その他の要因として、朝食スタイルの変化に伴いコーンフレークなどシリアル製品の消費が拡大 したことを挙げており、乳業会社によるイチゴ味やチョコレート味のフレーバー牛乳の販売促進も牛乳消 費に効果を与えたとしている。 さらに、従来の健康志向を反映して消費が拡大する低脂肪乳市場に対し、栄養分、鉄分、ビタミンなど を加えた機能性牛乳を新たに投入したことで、より消費者の要望に対応することができ、現在は、牛乳消 費の約3割がこの製品で占められている。 DAでは、全体の評価として、消費者に対する市場戦略が確かなものであったとした上で、今後の牛乳 の消費動向について、数年は1%程度の緩やかな伸びで上昇を続けるとしており、低迷していた牛乳消費 は回復したとみている。 ◎NZフォンテラ、05/06年度の暫定乳価を4NZドルに引き上げ ニュージーランド(NZ)の巨大乳業会社フォンテラは9月30日、2005/06年度の生産者に対する暫定 支払乳価(乳固形分ベース)について、キログラム当たり4NZドル(324円:1NZドル=81円)に引 き上げる見通しであることを発表した。当初、フォンテラは、今年度の暫定乳価について、前年度比15% 安となるキログラム当たり3.85NZドル(312円)を想定していた。今回の引き上げについてフォンテラ は、高騰を続ける乳製品の国際価格を反映したものではなく、同社内部でのコスト削減や生産性の改善に よるものとしている。なお、前年度(04/05年度)の支払乳価は、乳製品の国際市況高騰などを背景に度 重なる引き上げを実施した結果、最終的にはキログラム当たり4.50NZドル(365円)となっている。 【シドニー駐在員 横田 徹 平成17年10月6日発】
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