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ブラジル、今年の鶏肉輸出は増加見通し


2007年の鶏肉輸出は2005年以上に増加と見通し

  99年以降、ブラジルの鶏肉輸出量は毎年約2割ずつ増加してきたが、2006年は特に欧州における鳥インフ
ルエンザの発生による鶏肉需要の減退を反映し、輸出量がかなり減少した。しかしながら、昨年9月頃から
回復の兆しをみせている。

  2007年の鶏肉輸出について、ブラジル鶏肉輸出業者協会(ABEF)のゴンサルベス会長は「輸出は回復
しつつあり、よい年となることが期待される。昨年は鳥インフルエンザにより鶏肉需要が低迷し、輸出量は
減少したが、鳥インフルエンザによるパニック状態は過ぎ去った」と述べている。ABEFは2007年の輸出
量は昨年から約10%増加し285万トンとなると見込んでいる。
  
  また2007年の鶏肉輸出価格について、ゴンサルベス会長は「トウモロコシ価格の上昇による生産費の上昇
を価格に転嫁させることは必須である。したがってすでに鶏肉の輸出価格の上昇に影響している。また、需
要が伸びていることも価格の上昇を支えている。価格の上昇により今年の輸出額は期待を上回るかもしれな
い」と述べている。ABEFは2007年の平均輸出価格を2005年並みの1トン当たり1,200米ドル(14万3千
円:1米ドル=119円)、輸出額は約17%増加し34億2千万ドル(4,070億円)となると見込んでいる。
 
  さらにゴンサルベス会長は「輸出動向は輸入国における鳥インフルエンザの状況や為替相場の影響が大き
く、トウモロコシ価格の上昇に関しては心配していない」と述べている。輸出価格を見ると、トウモロコシ
価格の上昇が顕著になった2006年9月から輸出価格も上昇しているが、輸出の回復も同時期から始まってい
ることから、輸出価格の上昇はトウモロコシ価格の上昇だけではなく、鶏肉輸出の回復による影響も大きい
とみているためと考えられる。





(参考)ブラジルの農業資材の価格について

  ブラジルの農業資材について見ると、ブロイラー用飼料は2005年平均の価格と比べ、2007年1月の価格は
10%上昇している。しかしながら、トラクターやディーゼル油などは、それ以上に増加しており、また肥料
についても、原料不足から今後、価格上昇が予測されているため、ブラジル国内においては農業資材の中で、
飼料価格の上昇が特に目立つ状況ではないと考えられる。









【ブエノスアイレス駐在員 松本 隆志 平成19年3月30日発】 

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