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トウモロコシ流通促進のための競売を実施(ブラジル)


流通条件が不利な地域から農産物を流通させるための支援措置

  ブラジルでは、流通条件が不利な地域から農産物を円滑に流通させるため、農産物の購入希望者に対し、最低
価格に生産地から消費地の輸送コストを加えた現地到着価格と消費地への現地価格との差額に割増分を加えた金
額を連邦政府が助成する生産物流通助成金(PEP)がある。

  このため、品目ごと地域ごとに最低価格が設けられている。農産物の購入希望者が多い場合、PEPは競売に
かけられ、より低い価格を付けた購入希望者が落札する。落札者は、生産者から最低価格を下回らない価格で農
産物を購入したことを証明することによって連邦政府からPEPを受け取る。

  7月19日に、2007年度収穫のトウモロコシに関するPEPの競売が行われた。 


      
レアル高、在庫の増加予測からトウモロコシ価格が低下

 農産物のPEPの競売は、現地の生産者価格をみながら1年を通じて行われており、今回は消費地から離れた
北部および中西部産の58万トンのトウモロコシを対象として競売が行われた。

 ブラジルのトウモロコシ需給を見ると、隣国アルゼンチンに比べ輸出割合は低く、国内需要が多い。このため、
昨年後半から回復傾向にある鶏肉輸出は追い風ではあるものの、為替を見ると、昨年はほぼ1レアル=0.46米ド
ル前後で安定していたが、今年4月から再びレアル高が進んでおり、現在1レアル=0.54米ドルとなっている。
また今年に入ってから発表された、米国におけるトウモロコシの作付面積の大幅増加の予測は、ブラジル国内の
トウモロコシ在庫の増加の予測につながることから、トウモロコシ国際価格の上昇を加味しても、トウモロコシ
の生産者価格は最低価格を下回る(2007/08農業プランによると該当地域のトウモロコシ最低価格は60キログラム
当たり14.00レアル)状況が生じているとみられる。




 
◎WTO議長提案は受け入れられない

 7月17日に世界貿易機関(WTO)は、各国にモダリティ原案を提示したところであるが、ブラジルのアモリム
外相は同月18日の記者会見において「モダリティ原案は、ブラジルが得るものよりも失うものの方が大きく、受入
れることはできない。(モダリティ原案において示された米国の国内向け農業補助金を164億ドルから130億ドルま
で引き下げることを、米国が拒否したことについて)米国が合意を望まない中で、ドーハラウンドの成立はあり得
ない。不成立の場合、米国はその責を負うべきである」と述べている。またブラジル政府内では、モダリティ原案
は農産品分野よりも非農産品分野の市場開放に重点がおかれた、先進国重視の均衡を欠いた内容であると評価して
いると伝えられている。




【ブエノスアイレス駐在員 松本 隆志 平成19年7月23日発】

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