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LL牛乳の品質改ざんにより監視強化(ブラジル)


LL牛乳の一部ロットの販売を停止

  ブラジル連邦警察は22日、公衆衛生違反の疑いで告発されたミナスジェライス州のリオグランデ川流域
生乳生産者組合(Coopervale)およびミナスジェライス州南西部農畜産組合(Casmil)の2つの農協関係
者27人を拘束した。これは、両農協が生産した生乳の品質変造にかかわるもので、製品の賞味期限を引き
延ばすために不法な手法を用いたものとみられている。Parmalat社、CALU社およびCentenario社が前記2
農協から生乳を購入していたとされ、サンプル検査の結果、同3社が製造したLL牛乳に含まれる酸度ま
たはアルカリ度が農務省の法定基準外にあるとの連邦警察からの通告を受け、衛生監視機構(ANVISA)は
29日、同3社のLL牛乳の一部ロットの販売を禁止した決議を官報に公表した。
 
  今回販売が禁止されたロットの在庫品は商品化することはできず、販売の場所は当局の監視下に置かれ
る一方、当該牛乳を購入した消費者は安全のため、これを消費してはならず、販売店に返品することがで
きると同時に、州または市の衛生当局に通報、製品を提示することができるとしている。

  なお、ANVISAでは現時点において、今回販売が禁止されたLL牛乳を飲用した場合でも健康に差し迫った
リスクを与えることはないと考えている。また、ANVISAおよびミナスジェライス州の衛生当局は現在、州
内のラボラトリーに牛乳のサンプル検査を要請しており、結果は約10日後に判明するとしている。



農務省は企業の監視を強化

 一方、農務省はこの告発を受け、農牧防疫局動物製品検査部(DIPOA)を通じ、現在、連邦検査局(SIF)が
実施している対策を強化するため、以下のような措置を講じることを明らかにした。

・乳業メーカーで実施している検査について、企業の運営状況や検査に関わる従業員の評価を含む生産工
  程全般にわたる項目とし、連邦農畜産監視員3名(獣医師2名、衛生検査官1名)による不定期監査を
  行う。

・すべてのブランドのUHT牛乳のサンプルを優先的に採取し、技術基準の適合性を評価するためにラボラ
  トリーでの分析を行う。

・不適合が発見された場合、当該メーカーにおいてさらなる検査を実施した上で製品の出荷は事前にSIF
  のラボラトリー評価を行うことが条件。

・不正を働いた企業に対し、原料および製品の品質管理およびモニタリングに関する特別プログラムを提
  出することを要求し、製品が品質技術規定を順守していることをラボラトリー分析によって証明するこ
  とを義務づけ。

・家畜由来製品の品質と安全性の調査およびモニタリングの強化を目的として連邦警察および検察庁によ
  る合同検査を要請。



関係者は貿易への影響を懸念

  開発商工省貿易局(SECEX)によると、2007年1〜9月の乳製品輸出量は5万6,212トン、輸出額は1億
3,331万トン(154億4千万円:1ドル=116円)で、主な輸出先はアルジェリア、ベネズエラなどとなっ
ているが、今回の事件でブラジル産乳製品の国際的な評価が低下することを関係者は懸念している。






 【ブエノスアイレス駐在員 横打 友恵 平成19年10月31日発】


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