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洪水災害による鶏肉輸出への影響はわずかとなる見込み(ブラジル)

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南部で洪水被害が発生するも養鶏施設に大きな被害無し

 ブラジル南部のサンタカタリナ州で11月下旬、数日間にわたる豪雨の影響で洪水被害が発生した。これまでの報道によると、死者約100人、住宅からの避難者約8万人の大きな被害となっている。ルーラ大統領は11月26日、現地視察を行うとともに、約16億レアルの支援措置をとることを発表した。
(1) 民間防衛費 約7.2億レアル
(2) イタジャイ港復旧費  約3.5億レアル
(3) 道路復旧費 約2.8億レアル
(4) 軍事費 約1.5億レアル
(5) 衛生費 約1.0億レアル
 なお、同州はブラジル鶏肉生産の約17%を担う主要州の一つである。今回の災害は、同州東部の沿岸地域を中心に発生している一方、多くの養鶏施設は同州中西部に立地していることから、養鶏施設に関して大きな被害は伝えられていない。

主要輸出港への大きな被害は鶏肉輸出に影響しない見込み

 しかしながら、イタジャイ港は、ブラジル鶏肉輸出の約4割を担う重要な輸出港である。イタジャイ港の被害状況については、

(1) 4カ所ある埠頭のうちの3カ所が被害
(2) 数基のクレーンや、コンテナなどの損失

が報告されている。イタジャイ港の港湾機能は停止していないものの、通常の機能までの復旧時期は未定である。このような状況から、鶏肉輸出への影響についてブラジル鶏肉輸出協会(ABEF)に尋ねたところ、

(1) サジア社(鶏肉パッカー)は、輸出港をイタジャイ港からサントス港、パラナグア港へ一時的に変更
(2) ペルジゴン社も、サンフランシスコドスル港、パラナグア港へ一時的に変更

などの対応策を既に行っており、11月の鶏肉輸出に一時的な影響が生じるとみられるものの、イタジャイ港の機能低下による鶏肉輸出への影響は無いと見込んでいるとのことである。
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【松本 隆志 平成20年11月28日発】
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