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ホルモンを投与された肉牛から生産された牛肉の貿易をめぐる紛争に関し米国側と暫定的に合意(EU)

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 欧州委員会のアシュトン通商担当委員は5月6日、ホルモンを投与された肉牛から生産された 牛肉の貿易をめぐる米国との紛争について、米国側と合意に達したと発表した。合意の内容は以 下の通りとなっている。
EUは米国に対し、ホルモンを投与されていない肉牛から生産される高級牛肉の輸入について新たに無税枠を2万トン設け、これを3年間継続する(注)。また、4年目にはこの無税枠を4万5千トンまで拡大する。
米国は、EU側の牛肉に関する輸入制限に対抗するための制裁措置を今後3年間維持し、この間新たな制裁措置を講じない。4年目にはすべての制裁措置を撤廃する。
双方は本件に関し、WTOの場において新たな提訴を少なくとも18ヵ月間行わない。
4年目の終了前に、双方はより長期的合意に向け協議する。
 EUでは、成長促進ホルモンを投与した肉牛から生産された牛肉の輸入を89年1月から禁止しており、これによりEUへの牛肉輸出が制限されることとなった米国との間で、WTOの場において長期間の紛争となっていた。今回の暫定的な合意は、この泥仕合を回避する現実的な解決策とみられ、この4年間の猶予期間に双方がどのような歩み寄りを見せるかが注目される。
注: EUは現在、米国・カナダに対し、一定基準を満たす高級牛肉について低関税(20%)の輸入枠(11,500トン)を設けているところ。

(欧州委員会のアシュトン通商担当委員の発表)
【前間 聡 平成21年5月6日発】
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