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農業団体、2009/10年のEUの穀物生産量を予測

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 欧州農業組織委員会/欧州農業協同組合委員会(COPA/COGECA)は、2009/10年のEU27カ国の穀物および油糧作物の生産予測を発表した。

価格低迷の影響を受け生産量は減少と予測

 2009/10年のEU全体の穀物生産量は、昨秋からの世界的な不況を受けて穀物価格が低下し、生産費をカバーできない状況となっていることから、2008/09年を2815万トン下回る2億8千万トン(前年比9.1%減)と前年をかなりの程度下回る予測となっている。また、作付面積は5749万ヘクタールと前年を4.3%下回り、1ヘクタール当たりの平均収穫量も、気候変動の影響や肥料使用量の減少の影響を受け4.9トン(同5.7%減)と前年を下回る予測となっている。さらに、この価格低迷により今秋の播種のさらなる減少が見込まれ、2010/11年の生産量は、在庫に影響を及ぼす可能性があるほど落ち込むと予測している。

 近年、バイオ燃料原料として注目されていたトウモロコシについても、作付面積は856万ヘクタール(同3.1%減)、1ヘクタール当たりの平均収穫量は6.6トン(同7.0%減)、生産量は5643万トン(同10.1%減)と前年を下回る予測となっている。
EU2009/10年の穀物の生産予測
 また、EUで穀物生産量の最も多いフランスを見ると、トウモロコシの生産量が1526万トン(同3.5%減)と前年を下回り、穀物全体でも6,824万トンと前年を2.9%下回る予測となっている。

油糧作物も前年を下回る

 菜種や大豆などの油糧作物も、菜種の生産量が1792万トン(前年比4.7%減)、ヒマワリが460万トン(同31.8%減)と、ともに前年を下回ると予測されており、油糧作物全体では前年を約283万トン下回る2346万トン(同10.8%減)と前年をかなりの程度下回る予測となっている。
【小林 奈穂美 平成21年7月14日発】
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