日本産牛肉輸入再開へ(シンガポール)
3カ所の牛肉処理施設を対シンガポール輸出可能施設に認定
シンガポールの食品安全を所管する農食品獣医庁(AVA)は4月28日付けで、群馬県食肉卸売市場(群馬県)、南九州畜産興業株式会社(鹿児島県)、サンキョーミート株式会社 有明ミート工場(鹿児島県)の3カ所を、骨なし牛肉の対シンガポール輸出可能施設として認定した。
日本産牛肉は、2000年には13トン、2001年には28トンが輸入されていたが、2001年9月に日本で牛海綿状脳症(BSE)が発生したことから、輸入が禁止されていた。
日本産牛肉輸入再開へ期待の声も
AVAによれば、2007年のシンガポールにおける国民一人一年当たりの牛肉の消費量は4.3キログラムと、鶏肉の33.0キログラム、豚肉の20.6キログラムと比較すると少ない。また、シンガポール人の約9%を占めるインド系は宗教上の理由から牛肉を食べず、同じく約14%を占めるマレー系は、ハラル(イスラム法にのっとった処理)でない牛肉は口にしない。
しかし、人口の約75%を占める中国系には、こういった宗教上の制約がない。また、世界同時不況の影響を受けつつも、シンガポール人の食に関する興味、関心は非常に高く、一部の富裕層には、日本や、すでに日本産牛肉輸入が再開された香港で日本産牛肉の味を覚えている者もいるという。さらに、最近日本食レストランが相次いでオープンしており、しゃぶしゃぶや焼肉もよく見られるようになっている。
こうしたことから、関係者の間では、日本産牛肉の品質をもってすれば、ある程度の需要は確実に見込まれるとして、輸入再開への声が高まっていた。
豚肉も1カ所認定
また、日本産豚肉はこれまで原則としてシンガポールへの輸出は認められていなかったが、AVAは、南九州畜産興業株式会社(鹿児島県)を冷凍豚肉の対シンガポール輸出可能施設として認定した。
【佐々木 勝憲 平成21年5月14日発】
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