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「いわて牛の夜」開催される(シンガポール)

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日本大使館と岩手県の共催でシンガポール初上陸のいわて牛をPR

 在シンガポール日本大使公邸で12月11日、在シンガポール日本大使館と岩手県の共催で、「いわて牛の夜」("A Night of Iwate Wagyu - The Art of Beef")が開催された。

 この催しは、いわて牛のシンガポール初上陸を記念して、シンガポール政府関係者や流通、小売、外食関係者を招いて開催された。

 日本産牛肉のシンガポールへの輸出は、日本での牛海綿状脳症の発生に伴い、2001年9月以来禁止されていたが、本年5月に、国内3カ所の食肉処理施設がシンガポール農食品獣医庁により輸出可能施設として認定され、輸出が再開された。(5月14日付け「海外駐在員情報」参照

 その後、本年9月、(株)岩手畜産流通センターが日本における4カ所目の対シンガポール輸出牛肉取扱施設として認定され、10月26日、いわて牛の対シンガポール輸出の第1便の出荷式が開催された。(「畜産の情報」12月号参照

知事自ら岩手の農水産物をアピール

 催しに先立ち、山中在シンガポール大使から、共催である岩手県の達増(たっそ)知事が紹介された。

 達増知事は、「外交官として、1990年代に在シンガポール日本大使館に勤務し、シンガポールを第2の故郷のように感じている。高品質のいわて牛を世界に広めるべく努力してきたが、幸運にも、シンガポールを最初の輸出先として選ぶことができた。今晩は、岩手の味を楽しんでいただき、機会があれば平泉などの名所がある岩手県を訪ねていただきたい。」とあいさつした。 

 あいさつに続き、いわて牛が全国肉用牛枝肉共励会で9回最高賞に輝いたことが紹介され、しゃぶしゃぶ、タタキ、炭火焼といったメニューやいわて米のおにぎり、りんご、サンマなどの岩手県の食材に出席者が舌鼓を打った。

【達増知事(左)と山中大使】
【達増知事(左)と山中大使】
【好評だったしゃぶしゃぶ】
【好評だったしゃぶしゃぶ】
【紹介された岩手県の食材】
【紹介された岩手県の食材】
 また、翌12日には、日系スーパーマーケットで開催されていた東北フェアにおいて、達増知事自らいわて牛などの岩手県の食材をアピールした。

 クリスマス前の週末でにぎわう店内で、いわて牛の試食は好評だった。

 担当者によれば、シンガポール人は濃い味付けを好む傾向があり、どのように和牛本来の味を味わってもらうかが課題とのことであった。

【いわて牛プロモーション会場】
【いわて牛プロモーション会場】
【いわて牛をアピールする達増知事】
【いわて牛をアピールする達増知事】

再開後の日本産牛肉輸出量の推移

 輸出再開後6カ月経過し、これまでのところシンガポール向け牛肉輸出量は平均月3トン程度で推移している。シンガポール人の日本食への関心は高く、新しいもの好きという国民性も手伝って概ね堅調に推移しているものの、人口約500万人という限られたマーケットに日本産和牛がどの程度定着するかは、今後の様子を見守る必要があると思われる。

 ○シンガポール向け牛肉輸出量、輸出額の推移
シンガポール向け牛肉輸出量、輸出額の推移
【佐々木 勝憲 平成21年12月28日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:平石)
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