米国農務省、2009/10年度の飼料穀物の期末在庫を下方修正
米国の2009年産トウモロコシの生産量、期末在庫を下方修正
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が公表した6月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2009/10穀物年度(2009年9月〜2010年8月。以下、「2009/10年度」)のトウモロコシ生産量は、前月の予測量(120億9,000万ブッシェル)をさらに引き下げて、前年度を1.4%下回る119億3,500万ブッシェルになると予測されている。
今回、予測生産量が引き下げられたのは、低温、降雨による東部コーンベルト地域でのは種の遅れにより、予測単収が1エーカー当たり155.4ブッシェルから153.4ブッシェル(前年度比0.3%減)に引き下げられたことが要因である。
一方、2009/10年度のトウモロコシ国内消費量は、前月の予測値を1億ブッシェル下方修正して105億6,000万ブッシェルと予測されている。これは家畜飼養頭数の減少などから飼料等向けが減少すると見込まれていることによる。
このように、前月の予測から生産量が1億5,500万ブッシェル減少し、需要量が1億ブッシェル減少すると見込まれていることから、2009/10年度の期末在庫数量は5,500万ブッシェル下方修正された。これにより、年間平均の生産者販売価格は上値、下値ともにブッシェル当たり0.20ドル高の3.90〜4.70ドルになると予測されている。
2008年産大豆の期末在庫と2009年産大豆の期末在庫を下方修正
2009/10年度における米国の大豆の需給見通しは、生産量、需要量ともに前月の予測量から変更はないが、2008/09年度におけるアルゼンチンの輸出が200万トン下方修正され、中国の輸入が130万トン上方修正されたことなどから米国の輸出量が1000万ブッシェル上方修正されたこと、また、大豆ミールの輸出需要が強いことから国内搾油向けが1000万ブッシェル上方修正されたことから、2008/09年度の期末在庫が2,000万ブッシェル下方修正された。これがそのまま2009/10年度の大豆の期末在庫数量に反映され2,000万ブッシェル下方修正されている。これにより、2009/10年度の生産者販売価格は、上値、下値ともにブッシェル当たり0.55ドル高の9.00〜11.00ドルとなると予測されている。
【中野 貴史 平成21年6月19日発】
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