畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2009年 > 米国農務省、酪農家に対する緊急支援対策を発表

米国農務省、酪農家に対する緊急支援対策を発表

印刷ページ
 ヴィルサック農務長官は7月31日、経営状況の悪化に苦しむ酪農家の緊急的な支援対策として、現行の乳製品価格支持制度(Dairy Product Price Support Program : DPPSP (注))による政府の乳製品買入価格を引き上げることを発表した。

 なお、全米生乳生産者協議会(NMPF)は、6月25日にヴィルサック農務長官に対して、酪農の経営危機を脱するため政府の乳製品買入価格の引き上げを要請する書簡を発出していた。
(注) 乳製品価格支持制度(DPPSP)は、政府(商品金融公社)が脱脂粉乳、バター、チェダーチーズの買い入れを通じて、加工原料乳価格を間接的に支持水準以上に維持する仕組みである。2008年農業法において、加工原料乳の支持価格を廃止して主要乳製品の支持価格を直接定める制度に変更された。

今回の対策により、酪農家全体で2億4千3百万ドルの収入増と試算

 今回の緊急支援対策は、DPPSPを通じて行っている商品金融公社(CCC)の乳製品買入価格を引き上げるという内容であり、USDAは、今回の引き上げが最終的には生産者乳価の引き上げにつながり、酪農家全体で2億4千3百万ドルの収入増の効果をもたらすと試算している。

 具体的な買入価格については、脱脂粉乳についてポンド当たり0.8ドルを0.92ドルへ、チェダーチーズ(40ポンドブロック)について同1.13ドルを1.31ドルへ、チェダーチーズ(500ポンドバルク)について同1.10ドルを1.28ドルへ引き上げる内容となっており、同価格による買入対象期間は8月1日から10月31日までの3カ月間としている。
CCCの買入実績
【上田 泰史 平成21年8月1日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤井)
Tel:03-3583-9532