豚肉


(1) 消費
 前年を若干上回る水準で推移

・ 近年、豚肉の消費量は、引き続き増加傾向にあるものの、伸び率は鈍化してい
 る。

・ 2年度に入って、4月は高い伸びを示したものの、その後おおむね前年と同水準
 もしくはこれを上回る水準で推移しており4〜9月では前年同期比100.9%となっ
 ている。

・ 9月の推定出回り量は、大量の在庫取り崩し(前月比約18,000トン)がなされ
 たにもかかわらず生産、輸入とも低水準であったことから前年同月を下回った
 (前年同月比3.7%減)(図26)。

・ 豚肉の消費構成をみてみると、50年に約60%を占めていた家計消費は63年には
 40.9%にまで低下したが、元年は40.7%とほぼ横ばいで推移した(図27)。2年
 度に入ってからも家計消費はほぼ前年水準で推移(4〜9月前年度期比99.6%)し
 ており、全消費に占める割合はほぼ元年と同水準にあるものとみられる(図28)。

・ 加工用需要は、近年伸び率は鈍化しているものの需要拡大の中心的役割を果た
 してきた。しかし2年度に入ってからは5月以降前年同月を下回って推移しており、
 8月は前年同月比96.4%に落ち込んだ(図28)。

(2) 生産
 年間110万トン台で安定的に推移

・ 60年度以降、110万トンを若干上回る水準で安定的に推移してきたが、2年度に
 入り4月はほぼ前年水準で推移したものの、5月以降は前年同期を下回って推移し
 特に8、9月は前年を大きく下回った(9月前年同月比10.7%減)。この結果、2年
 度上期(4〜9月)は対前年同期比4.2%減と前年同期をかなり下回っている(図29)。

(3) 輸入
 増加からやや減少へ

・ 輸入は、62年度に円高、加工用需要の増大等の影響もあり大幅に増加したが、
 その後伸び率は鈍化しており、元年度は、8.1%の伸びとなった。

・ 2年に入って高い伸びを続けていた輸入量は、6月以降前年水準を大きく割り込
 み(9月前年同月比33.5%減、図30)、2年上期(4〜9月)は前年同期を下回った
 (前年同期比0.5%減)。この結果、昨年夏以降増大してきた在庫水準は、6月を
 境に減少に転じ、9月には72千トンと、最大であった6月に比べ約4万トン減少し
 た(図31)。

(4) 価格
 2ヵ月続けて安定上位価格を突破した後下落 

・ 卸売価格は近年、季節的な変動を伴いつつもおおむね安定価格帯の範囲内で安
 定的に推移してきた。

・ 元年11月以降、卸売価格は強含みで推移しており、7、8月は、それぞれ、614
 円、629円/kgと安定上位価格を上回った。しかし、9月に入って弱含みに転じ、
 10月中旬以降は安定基準価格を割込んで推移している(図32)。


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