豚肉


加工品需要により消費量は増加

 3年10月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、加工品需要の伸びに支え
られ137千トンとなり、対前年同月比102.9%と前年を上回った(図1)。4月からの
累計では対前年同期比101.2%となっている。本年1月以降前年を割り込んで推移し
てきた家計消費量は、9月も引き続き下回り対前年同月比97.8%となっている。し
かし、ウィンナーソーセージを中心とした加工品の消費が伸びており、本年5月以
降前年水準を超えて推移してきた加工品仕向肉量は、9月も引き続き上回り、対前
年同月比105.4%となっている。


依然減少基調で推移する生産量

 10月の生産量(部分肉ベース)は、96千トン(対前年同月比97.7%)となり、生
産量は依然減少基調で推移している(図2)。4月からの累計では、対前年同期比95.
7%となっている。また、農林水産省畜産局によると11月の肉豚出荷頭数(見込み)
は、1,778千頭(対前年同月比95%)、12月は1,814千頭(対前年同月比95%)と見
込んでいる。


すそもののひっ迫により大幅な輸入量

 10月の輸入量(部分肉ベース)は、加工品へ仕向けられるすそものの需要増に支
えられ41千トンで、対前年同月比139.9%となり大幅に増加した(図3)。4月から
の累計では、対前年同期比125.6%となっている。チルドの輸入量は5.4千トン(全
輸入量の約13%)であり、加工品向けのフローズンが多くなっている。


安定基準価格で推移する卸売価格

 10月の枝肉卸売価格(東京市場の省令価格)は、季節性もあって9月に比べ64円/
kg安の421円/kg(対前年同月比107.1%)となった(図4)。11月の速報値は、10
月に比べ10円/kg安の11円/kg(対前年同月比111.1%)となっている。安定基準
価格(400円/kg)を下回る恐れから、10月22日付け官報で畜安法に基づく指定食
肉(豚肉)の調整保管について告示がなされ、農林水産省は12月2日に調整保管を
発動した(実施期間は来年3月まで)。これにより、卸売価格の先安感が消え今後
大幅な下落はないものの、年末・年始用のチルド輸入量動向、加工品需要動向にも
注意が必要である。


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