鶏卵


引き続き堅調な需要

 3年10月の推定出回り量(消費量)は220千トンとなり、対前年同月比105.3%と
前年をかなり上回った(図1)。2年10月以降推定出回り量は前年並みで推移してき
たが、3年4月からは4%以上の伸びを示しており、4月からの累計では、対前年同期
比106.4%となっている。鶏卵の家計消費量は2年12月以降前年水準を上回って推移
し、3年7月、8月は104%台であったが、9月は対前年同月比100.3%となっている。


増加傾向で推移する生産量

 10月の生産量は214千トンとなり、対前年同月比104.4%と前年をやや上回った
(図2)。飼料の値上げ等もあって2年12月まではわずかに前年を下回ってきた生産
量は3年1月以降前年を上回り、4月以降4%以上の伸びを示している。なお、4月か
らの累計では対前年同期比105.6%となっている。また、鶏卵価格の高騰を背景に、
採卵用ひなえ付け羽数が4月以降前年水準を超える高い伸びを示していたが、10月
は対前年同月比99.1%と7ヵ月ぶりに前年を割り込んだ。農林水産省統計情報部に
よると11、12、4年1月の採卵鶏ひな出荷羽数の見通しは、それぞれ対前年同月比10
6、103、98%の見込みである。


わずかな輸入量

 10月の輸入量は5.8千トンで消費量の2.6%とわずかであるものの、増加傾向で推
移している(図3)。


卸売価格はもちあい

 10月の卸売価格(東京平均)は、生産増にもかかわらず9月に比べれば21円/s
値を上げ、263円/sとなった(図4)。対前年同月比で見ると100.4%となってい
る。なお、11月の東京、全農M規格の平均価格(速報値)では、248円/sとなっ
ており、今年前半の鶏卵価格高騰で増加した採卵用ひなによる増産基調を背景に、
弱含みに推移している模様。


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