豚肉


横ばい傾向の消費量

 平成3年9月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は加工品需要の伸びによ
り118,862トンとなり、対前年同月比103.4%と前年を上回った(図1)。4月から
の累計では、ほぼ横ばい傾向で対前年同期比100.9%となっている。総務庁「家計
調査報告」によると、本年1月以降前年を割り込んで推移してきた家計消費量は、
8月も下回り対前年同月比97.2%となった。加工品仕向肉量はウィンナーソーセー
ジ、ベーコンの売れ行きが好調であり、原料となるすそものの引合が強いことから、
5月以降前年水準を超えて推移している(8月は対前年同月比108.1%)。


減少傾向の生産量

 平成2年5月以降前年を割り込んで推移してきた生産量(部分肉ベース)は9月
は81,231トン(対前年同月比100.6%)と前年並みとなっているものの、と畜頭数
は引き続き減少傾向(対前年同月比99.2%)で推移している(図2)。4月からの
累計では、対前年同期比95.3%となっている。また、農林水産省畜産局によると10
月の肉豚出荷頭数(見込み)は、1,856千頭(対前年同月比98%)、11月は1,755千
頭(対前年同月比95%)と見込んでいる。


ピークを過ぎたチルドの輸入量

 9月の輸入量(部分肉ベース)は34,465トンとなり、対前年同月比208.7%と大
幅に増加した(図3)。4月からの累計では、対前年同期比123.1%となっている。
チルドの輸入量は5,394トンで全輸入量の約16%を占めているが、8月に比べ1,688
トン減り、チルドの輸入量はピークを過ぎた模様である。


引き続き急落する卸売価格

 季節的要因に加えてチルドの輸入により9月の枝肉卸売価格(東京市場の省令価
格)は、8月に比べ82円/s安の485円/s(対前年同月比91.2%)となった(図
4)。10月の速報値は、9月に比べ64円/s安の421円/s(対前年同月比107.1%)
となった。なお、10月に入っても価格の低落傾向が続き、安定基準価格(400円/
s)を下回るおそれが出たため10月22日付け官報で、畜安法に基づく指定食肉(豚
肉)の調整保管について告示がなされた。この告示により、生産者団体は農林水産
大臣から調整保管計画の認定を受け、保管を開始することとなる。


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