鶏卵


12月の消費量は、減少傾向で推移

 鶏卵の家計消費量は、2年12月以降前年並みからやや上回る水準で推移していた
が、3年12月は対前年同月比96.4%と前年を下回った。なお、3年4月〜12月の推
定出回り量(消費量)は、対前年同期比106.1%であるが、これを季節調整済み値
でみると、2年後半から増加傾向で推移していたものの、ここ数カ月は水準として
は高いものの減少傾向である(図1)。

卸売価格の下落を受け、減少した入荷量

 4年1月の生産量は公表されていないので、入荷量(主要5都市)でみてみると、
生産増による卸売価格の下落を背景にした生産調整等から、35,458トン(対前年同
月比97.1%)と前年を下回った。

 一方、採卵用ひなえ付け羽数は、3年4月から8月までは6%以上の高い伸びを
示していたが、9月から伸び率は抑えられ4年1月は対前年同月比98.2%となって
いる。これを季節調整済み値でみると、価格がやや低迷したことを反映して、3年
夏以降から減少傾向で推移している(図2)。また、農林水産省統計情報部による
と、2、3、4月の採卵鶏ひな出荷羽数の見通しは、それぞれ対前年同月比98、94、
91%の見込みであり、増産傾向に歯止めがかかった模様。

わずかな輸入量

 4年1月の輸入量は4,774トンとわずかであり、対前年同月比81.6%と減少傾向
で推移している(図3)。

卸売価格は急落後じり高

 4年1月の卸売価格(東京平均)は、生産量の増加により3年12月に比べ81円/
s値を下げ、154円/sとなった。対前年同月比で見ると62.9%となっている(図
4)。なお、4年2月の全農の東京・M規格平均価格(速報値)は、190円/s
(対前年同月比63.8%)となっている。

 1月の鶏卵相場急落を受けて、(社)全国鶏卵価格安定基金と(社)全日本卵価
安定基金は、2月3日、大幅な採算割れに陥った生産者に対し価格補てんを決定し
た。補てんは、昭和63年7月以来3年6カ月ぶりであり、補てん価格は28円/sと
なった。しかし、2月は価格が回復したため、補てんは行われていない。


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