豚肉


加工品需要に支えられ、前年並みの消費量

 4年3月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、加工品需要の伸びに支え
られ118,604トンとなり、ほぼ前年並みとなった(対前年同月比100.9%、図1)。
また、3年度の推定出回り量もほぼ前年並み(1,457,738トン、対前年度比100.8%)
となり、消費量に関しては、牛肉の輸入自由化前に予想された豚肉への大きな影響
は、なかったと思われる。

 家計消費量は、3年1月以降前年を割り込んで推移しており、4年2月も対前年
同月比97.0%(発表は100.5%であるが、うるう年であることを勘案した)と引き
続き前年を下回った。しかし、ソーセージ等の加工品仕向肉量は、4年2月も対前
年同月比109.3%と引き続き前年をかなり上回った。



減少基調で推移する生産量

 4年3月の生産量(部分肉ベース)は、84,179トン(対前年同月比96.3%)とな
り、依然として前年を下回っている(図2)。3年度の生産量は、2年度に続き前
年度をやや下回った(1,025,111トン、対前年度比95.3%)。

 また、農林水産省畜産局によると4月の肉豚出荷頭数(見込み)は1,603千頭
(対前年同月比95%)、5月は1,568千頭(対前年同月比96%)と見込んでいる。



急増したチルド輸入量

 4年3月の輸入量(部分肉ベース)は、加工品へ仕向けられるすそものを中心と
した需要に支えられ、42,416トン(対前年同月比137.7%)と大幅に増加し(図3)、
3年度でも前年度を大幅に上回った(441,857トン、129.4%)。

 チルドの輸入量は8,909トン(全輸入量の約21%)であり、国内生産量の減少や
量販店等の需要を受け、前年同月の2倍以上となっている。



輸入量の増加により軟調な卸売価格

 4年3月の枝肉卸売価格(東京市場、省令価格)は、国内豚肉生産減にもかかわ
らず、輸入量の増加等により2月に比べ19円/kg値を下げ、548円/kg(対前年同
月比110.5%)となった。4月の速報値は、3月に比べ17円/kg値を下げ、531円/
kg(対前年同月比98.3%)となっている(図4)。


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