牛肉


3月も消費は前年を下回る

 4年3月の推定出回り量(消費量)は、景気後退、輸入量の落ちこみ等から56,6
13トン(対前年同月比86.5%)と、3ヵ月連続で前年同月を下回った(図1)。特
に、輸入品は前年同月比70.7%と約3割の減少となった。3年度の推定出回り量は、
前年度をやや上回り103.1%となった。

 3月末の推定期末在庫は、61,397トン(対前年同月比52.5%)、うち、輸入品在
庫は49,028トン(対前年同月比47.5%)で、事業団在庫は17,311トンとなっている
(図2)。


生産はかなり増加

 3月の生産量は、32,068トン(対前年同月比106.5%)とかなり増加し、3年度
では前年度比104.9%となった(図3)。

 3月の種類別と畜頭数をみると、和牛は39.7千頭(対前年同月比103.4%)と増
加した。乳牛のと畜頭数は、前年同月が低かったこともあって、72.0千頭(対前年
同月比107.8%)とかなり増加した。


輸入はさらに減少

 3月の輸入量は、関税率の切り替え前で通関を遅らせたことにより、16,464トン
(対前年同期比50.7%)と前年同月の約半分に減少し、3年度では326,923トン
(対前年度比85.1%)となった(図4)。

 3月の内訳(くず肉、煮沸肉を除く)は、チルドは13,018トン、フローズンは3,
356トンで、チルドの割合は79.5%となり、3年度全体での割合は52.7%であった。

 事業団が38商社から聞き取った独自の調査によると、4月は未通関となっていた
フローズンが一斉に通関されることから、全体の輸入量はチルドを含め約5万トン
程度と見込まれる。


省令価格は低下、乳用種は低水準

 3月の省令価格(東京市場、以下同じ。)は、1,042円/kg(対前年同月比82.1
%)と2月に比べ48円/kg値を下げ、4月の速報値でも1,030円/kgとさらに値を
下げている(図5)。

 和牛の価格は、高級物(A−5)が相変らず堅調に推移しているのに対し、A−
3以下の規格のものは値を下げた。

 乳用種の価格は、3月は乳おす「B−3」1,057円(対前年同月比86.7%)、
「B−2」736円(対前年同月比82.0%)、乳めす「C−1」328円(対前年同月比
99.1%)と低い水準で推移している。4月の速報値でも乳おす「B−3」1,028円、
「B−2」808円、乳めす「C−1」354円となっている。

 また、3月の輸入牛肉の価格(国内仲間相場)は、出回り量が少なかったことか
ら、チルドとエージドビーフが値を上げた(図6)。


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