豚肉


推定出回り量(図1)−かなり多い輸入品

 4年9月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、前年をやや上回り、12万4
千171トンとなった(4.5%)。これは、輸入品の推定出回り量が、前年をかなり大
きく上回ったためである(12.4%)。


生産量(図2)−出荷予定頭数は低水準

 9月の生産量(部分肉ベース)は、8万2千258トンと前年をわずか上回った(1.3
%)。また、農林水産省畜産局によると10月の肉豚出荷頭数(見込み)は、174万6
千頭(▲5%)、11月は170万4千頭(▲3%)と見込んでいる。


輸入量(図3)−半年ぶりに9千トン割れのチルド

 9月の輸入量(部分肉ベース)は、前年をわずかに上回り、3万5千217トンとなっ
た(2.2%)。しかし、9月のチルドの輸入量は、8千773トン(全輸入量の24.9%)
と半年ぶりに9千トンを下回った。これは、台湾の生体相場が比較的高値であった
ことから、台湾からの輸入量が5千937トンと、先月に比較して428トン減少したこ
となどからである。


卸売価格(図4)−近年にない9月の高値

 9月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)は、チルドの輸入量が減ったことから、
先月に比べ11円/kg値を上げ、545円/kgとなり(12.4%)、9月としては近年にな
い高値となった。10月の速報値は、9月に比べ107円/kg値を下げ、438円/kgとな
った(4.0%)。


今月のトピックス−安定基準価格を一時割った10月の枝肉卸売価格

 今年に入って堅調に推移していた豚肉相場だが、東京市場の枝肉卸売価格(省令)
は10月中旬に一時、安定基準価格(400円)を割った。長雨による消費不振、市場
の先安ムードのほか、12日から台湾豚肉の抗菌剤検査のフリーパス工場がさらに5
ヵ所拡大されたことも、相場の圧迫材料になったようだ。輸入豚肉と国内の豚肉相
場の関係が、ますます強くなっているようだ。なお、今後の豚価低落に備え、11月
10日付けで、「畜産物の価格安定等に関する法律」に基づく指定食肉(豚肉)の調
整保管について告示がなされた。


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